1年でUGC数が約380%、指名検索が約165%に成長
いいたか:これらの施策を経て、どのような成果が出ているかお教えいただけますか?
澤田:KPIでは大きな成果を実感しています。同年3月とそこから約1年間の最大値で比べたときの成長率は、UGC数は約380%、指名検索は約165%、インプレッション数が約800%、エンゲージメント数は約680%となり、なにより、UGC数と指名検索数の相関を作ることができました。また、フォロワー数は2020年3月と比べて、フォロワー数が約1.4倍に増えました。
当初の課題感から導いた目的の再定義、それに対する再現性のあるソリューションの選定、そしてコンテンツマーケティングを実施する意義が上手くはまって、この結果になったと感じています。オウンドメディアとしてもアーンドメディアとしても成長できた1年でした。
いいたか:通常、フォロワー数が増えると相対的なUGC数がどうしても下がってしまいがちですが、JINSさんではUGCの伸びもキープできている。ここもとても素晴らしいですね。
SNS運用を資産蓄積の手段に
いいたか:今回うかがった運用では、ブランド側とプロモーション側の両方の視点から状況を見られているからこそ実現できたことが多かったと思います。
澤田:そうですね。加えて私自身、売上への意識も当然持っているのですが、「どうしたら世の中を良くできるか」という発想も強く意識しています。Twitterは拡散性があるため、そういった企業の意志を伝えるツールとしてポテンシャルを感じていましたし、それが徐々に発揮できるようになってきたと思っています。
私の場合P/Lでの成果だけでなく、中長期的な資産化に興味があります。ブランドへの好意度やLTVをどう高めていくかを考え、その手段としてSNSを活用できるのがベストです。
いいたか:最後に、今後のSNS活用に対する目標や期待感を聞かせてください。
澤田:まずは、「メガネといえばJINS」と誰しもが想起する状態を作りたいです。将来的には目に関する悩みを解決しようと思ったときに、JINSが一番に想起される状態を目指しています。その手段として、SNSを最大限活用していきたいと思っています。
SNSと売上の相関はなかなか証明しにくいですが、指名検索とブランドの好意度には相関があると考えています。好意度を高めていくと結果的に売上もついてくるので、そういう世界を作りたいなと思います。
いいたか:SNSを活用しても、売上がすぐについてくるわけではないですよね。
最初はたとえば「JINSさんおもしろいよ」「バーチャル試着できるからいいよね」といった投稿から出始める。ユーザーの状態で言うと、まだ潜在的なユーザー。そこからブランドリフトが徐々に上がってきて購入してもらえると、またブランドのことを語り始めてくれるUGCが出ます。「UGCが出ればヒットする」わけではなく、このサイクルで母数を増やしていく、という意識が重要だと再認識できました。
