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一人ひとりが主人公「あなたの物語」を飲もう。サッポロビールが進める新しいブランドづくり


「できたらいいな。を、つくろう。」をテーマに、サッポロビールが2018年より進める顧客共創型ブランド「HOPPIN’ GARAGE」。現在、第3フェーズに入ったという。新規事業開拓室の土代裕也氏に話を聞くと、あえて生活者1人にフォーカスして商品化することで、主人公の熱量が伝播していく共創のあり方が見えてきた。

目的は異次元のカイタク

MarkeZine編集部(以下、MZ):「HOPPIN’ GARAGE」は2018年から3年の間に、500を超えるアイデアから9種類が商品化。500回にのぼるイベントに5000人以上が参加する「ただ飲むだけが、ビールじゃない」をコンセプトとする、顧客共創型ブランドです。2021年からは定期便サービスやYouTubeでのトーク番組など新たな展開に踏み出していますね。

山を愛するアウトドアガイドが発案した「おつかれ山ビール」、佐世保への一人旅の思い出がもとになった「佐世保スイングエール」など、これまでに9種が商品化されている
山を愛するアウトドアガイドが発案した「おつかれ山ビール」、佐世保への一人旅の思い出がもとになった「佐世保スイングエール」など、これまでに9種が商品化されている

 そもそも、このプロジェクトを始めた理由は何ですか?また、チャレンジングな取り組みに見えますが、社内での位置づけはどのようなものですか?

土代:「HOPPIN’ GARAGE」は、食領域のコミュニティ運営を支援するキッチハイクと業務提携して推進しているもので、顧客との共創でビールづくりを推進していくブランドです。「自分が飲みたい」ビールのアイデアを募り、試作品をつくってコミュニティ内での評価などを経て商品化しています。

 私自身は、商品開発やマーケティングリサーチの部署を経て、このプロジェクトを企画しました。立ち上げ当初は複数部署にまたがった活動で、現在私が所属する「新規事業開拓室」ができたのは最近なんです。

 この取り組みの継続にあたってそうした部署の必要性が強くなり、「黒ラベル」など主力ビールブランドの部署とも開発の部署とも少し離れたところに開設されました。

MZ:HOPPIN’ GARAGEのミッションは何でしょうか?

土代:お客様に対しては、主力ブランドとはまた違う、新しい価値を提案していくことです。それをいちばんの上位概念として大事にしています。

 社内的には、新規事業による利益創出と“異次元のカイタク”によって、コーポレートのビジョンに貢献することです。

 当社では、「誰かの、いちばん星であれ ひとりひとりの心を動かす物語でお酒と人との未来を創る酒類ブランドカンパニーを目指す」とビジョンを掲げています。昨今、生活者の時間の使い方や価値観が多様化し、お酒の位置づけも広がっているため、それを踏まえて「もういちど、お酒をカイタクしよう。」と全社でさまざまな活動に取り組んでいるところです。

個人の発想をもっとビールに

MZ:なぜ、こうした取り組みを始めたのでしょうか?

土代:当社は、どのビールメーカーよりも共創に軸足を置いてきたと自負しています。例えば2012年から展開した「百人ビール・ラボ」では、ビールファンの方々と新商品開発を行っていました。

 ただ、これまでの取り組みは単発ベースだったので、もっと継続的な活動を通して価値を生み出していきたいと思っていました。

 そもそも共創を重視しているのは、酒類の製造が免許制であることが背景にあります。利点ももちろんありながら、一方で個人が簡単につくれないため、さまざまな知見や経験がある「個人の発想」や「クリエイティビティー」が発揮されにくい部分もあります。

 百人ビール・ラボでは多くの方々と意見をすり合わせていきましたが、HOPPIN’ GARAGEでは一人の思いを掘り下げ、その方とブリュワー、そして我々で向き合って個性的なビールを開発しています。前述の弊社ビジョン「ひとりひとりの心を動かす物語」にも通じるところがあると考えています。

https://blog.kitchhike.com/hoppin-garage14/ボードゲームカフェのオーナーが発案した「ボードゲームビール」。HOPPIN’GARAGEオリジナルのカードゲームまで開発・商品化され、発売イベントではビールとともに楽しんだ
ボードゲームカフェのオーナーが発案した「ボードゲームビール」。HOPPIN’ GARAGEオリジナルのカードゲームまで開発・商品化され、発売イベントではビールとともに楽しんだ

MZ:一人の方の経験や感じたことに根差しているから、商品にも奥行きのある物語が生まれるのですね。最初から、事業化を構想していたのですか?

土代:イメージはしていましたが、最初は明確なKPIもなくて。コーポレートブランディングや外部パートナーと協業する知見の蓄積など、複数の観点も含めて、ユーザーイノベーションのテスト的にスタートしました。

 そんなファーストステージを経て、メディア露出やSNSなどから認知が広がり、2年目にはコミュニティも拡大し、商品化も実現しました。そこで、継続を見据えて「共創のビールブランド」としての確立を目指すようになったのが、セカンドステージです。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/28 13:12 https://markezine.jp/article/detail/36398

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