広告効率の良さ&消費者との深いつながりがInstagramの魅力
――本日はジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケア カンパニーでアキュビュー® ディファイン®のマーケティングを担当している平井さん、Facebook Japanで同ブランドを担当している大島さんに、お話をうかがいます。最初に商品の説明と、Instagram運用の様子について教えてください。
平井:ディファイン®は、20代~30代に支持されている「アキュビュー® ディファイン®」と、2021年3月に新発売した10代後半~20代前半をターゲットとした新シリーズ「フレッシュ シリーズ」の2ラインを展開しています。
Instagram(@acuvue_define)は、広告媒体としての側面と、消費者と常時深いつながりを持てるプラットフォームという2つの側面があると考えています。特に広告面では、ディスプレイ広告など他メディアと比較すると、LPや自社ECサイトへの流入率が良く、効果の高さを実感しています。
またInstagramはカスタマージャーニーの観点から見ても、認知・検索といった段階において重要な役割を果たしていることがわかっており、広告戦略を策定する際は必ずといっていいほどプランニングに組み込んでいます。
――運用において意識していることはありますか。
平井:ニーズのきっかけとなる露出の増加を念頭に、3つのポイントを意識しています。1つ目はモーメントやトレンドです。たとえば夏なら、夏らしいオレンジ色のメイクに合うレンズというように、それぞれのシーズンの話題に合ったオーガニック投稿を行い、露出の拡大を図っています。
2つ目に意識しているのは、インタレストの点ですね。私たちのRTB(Reason To Believe)は、瞳の模様を元に描かれた繊細な手書きラインのレンズデザインが、瞳本来の美しさを活かしながら瞳を大きく見せること。このRTBを伝えることを念頭に、メイクやファッションといったブランドと関連の高いインタレストを入り口にした訴求をするようにしています。
最後に意識している点は、瞳の健康をリードするアキュビュー®ブランドとしての発信です。ただし、こちらの場合はすべての情報をInstagramで網羅するわけではなく、詳しい情報はブランドサイトで見てもらうよう役割を分けています。
特に重視しているのは、モーメントの点でしょうか。数ヵ月に1度新商品が出るブランドではないので、興味に沿った情報を発信することで、情報を探しにきた利用者に関心を持ってもらえるようにしています。
――Facebookの大島さんは、アキュビュー® ディファイン®さんを担当されているとのことですが、活用についてポイントはありますか。
大島:まず、Instagram内で何かを探したい、発見したいというニーズについては、私たちも非常に注目しています。日本の利用者がハッシュタグ検索をする回数はグローバル平均の5倍です。また、第三者の調査では、特に若年の女性を対象に情報収集をする際に最も利用するサービスを尋ねると、ファッションのカテゴリーでは44%がInstagramと回答したのに対し、検索サービスと回答した人は8%にとどまったという結果もあります。
情報収集を行う利用者は、アカウントのプロフィールや投稿までしっかりと閲覧する傾向があるため、そのニーズを満たすオーガニック投稿の作りこみはとても重要な施策といえます。アキュビュー® ディファイン®さんのアカウントプロフィールでは、商品の点数は少なくても、様々な角度から利用者の気になる関心事に寄り添った良質なコンテンツがストックされていることがご覧いただけます。アカウントを通じて新しい利用者との出会いと自分ごと化を促進できると言えるでしょう。
需要期に合わせたキャンペーンで認知拡大と売上UPを狙う
――では、昨年の12月に実施されたクリスマスキャンペーンについて教えてください。
平井:このキャンペーンは、カラーコンタクトレンズの需要が高まる12月に行ったもので、需要最大化を目的に全体プランを考えました。その中でも、夏の限定パッケージ発売時に広告効率がよかったInstagramを中心にプランニングしました。対象とした商品は、2020年の夏に新発売した「アニマルパッケージ」です。このパッケージの露出を目的とした広告クリエイティブを用意し、配信しました。
これに合わせて、需要期におけるブランド露出をさらに高めるため、クリスマスメイクにちなんだ消費者参加型のリポストキャンペーンを実施しました。アキュビュー® ディファイン®はメイク・ビューティーと関係が深い商品のため、そうした商品と組み合わせて訴求することで、興味のきっかけをつくり、ブランドの露出を広めていくことを狙っていました。
大島:キャンペーンの実施にあたり、当社では現在Instagramでブランディングする上での必勝パターンに沿って、ご提案するようにしています。これはマーケティングのフェーズにあわせて、当社が推奨する組み合わせを提案したもの。今回は「季節連動期」のメディアプランに合わせて、クリスマスのシーズンにオーガニック投稿と広告をどのように使い分け、最大限活用していくのかを一緒にプランニングしました。結果は後ほどお話しますが、顧客の理解を基にしたクリエイティブ制作に加えて、メディアプランニングも良い効果を後押ししているのではと思っています。
CVRは2桁台!ハッシュタグ検索からの流入を活かすことに成功
――では、キャンペーンの結果・実績について教えてください。
平井:シーズン全体の売上はとてもよく、目標としていた数値も達成できました。中でもInstagram/FacebookのCPAはディスプレイ広告や他のプラットフォームと比較すると約5分の1、CVRに関しては他メディアが1桁台だったのに対しInstagramでは2桁台を記録するなど、大きく貢献してくれました。
――成功の要因について、どのように考えていますか。
平井:購買意欲の高いユーザー、潜在顧客層に効率よくリーチできた点だと考えています。これはInstagramの広告ターゲティングの精度の高さ、そしてInstagramのハッシュタグ検索機能が大きな役割を果たしているのではないでしょうか。Instagramで商品を検索している、つまり購買意欲の高いユーザーを、自然なかたちでLPに誘導することができたのでしょう。
Instagramには購入意向が高い利用者が存在し、かつ若年層女性の母数も多くいます。今回改めて、質も担保しながら人数も確保できる貴重な媒体であると感じました。
広告接触者の利用意向にも好影響が!
大島:当社では今回、Instagram広告の効果を確かめるためのブランドリフト調査を担当し、こちらも良い結果が出ました。具体的には、Instagram広告に接触した人の広告想起率が+7.2ポイントという結果でした。これは消費材業界の平均と比較して、6.3ポイント高い結果です。また利用意向にも影響を与えていて、結果は+3.8ポイント。こちらも、業界平均値を上回るスコアを記録しました。
――業界平均と比較しても、高い成果だったのですね。ポイントはどこにあったとお考えですか?
大島:当社ではInstagramは、好きと欲しいとつくることができる、と位置づけています。
フルファネルでのInstagram活用にも挑戦したい
――今回のキャンペーンを通して得られた学びや、これからInstagramを用いて取り組んでいきたいことを教えてください。
平井:改めてInstagramはブランドの成長に欠かせないプラットフォームだと感じました。今後も継続して活用していきたいです。
改善したい点としてはクリエイティブに関する部分ですね。より魅力的に見えるよう、さらに工夫を加えていきたいです。何を訴求して、どういうデザインにするか。ぜひ、Facebookさんの持っているナレッジを参考にさせてもらいながら制作していきたいと思います。
大島:クリエイティブについては、我々も特に重要だと考えています。広告が購買に貢献する要素として、クリエイティブが全体の47%を占めているという調査結果もあるんです。クリエイティブを改善していくことで、CPAを下げつつ、売上の向上にも期待できます。
今回のキャンペーンを通じて、Instagramが利用者の「好きと欲しい」を生み出すメディアであることが見えてきたと思います。ここからさらに質の高いアキュビュー® ディファイン®のブランド認知を目的としたアッパーファネルへの取り組みでもご支援させていただくことでも、売上向上を後押しできればとうれしいですね。
平井:そうですね。今回得た知見を活かして、フルファネルでInstagramを活用していくプランを立てたいです。
――本日はありがとうございました。