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横山隆治氏解説!コミュニケーションデザインとメディアアロケーション

脱デモグラ×購買層セグメントでターゲットリーチを最大化するメディアアロケーションの手順【応用編】

“購買層”をターゲットにしてターゲットリーチの最大化を図る

 さて、今回はターゲットをデモグラではなく、購買層をターゲットにしてターゲットリーチの最大化を図るシミュレーションをするかがポイントです。

 まず、デモグラではなく、購買層でのセグメントを行う理由は、購買期待値がまるで違うということにつきます。下記の図表では「香りの柔軟剤」におけるデモグラ(F2)とカテゴリー購買経験層セグメントでの購買率ですが、購買層セグメントの購買率はデモグラ(F2)の約1.8倍になります。

 このようにターゲットを購買期待値の高いセグメントで設定することができるようになったことはメディアプランニングの価値を大きく上げました。特にテレビの枠の買い付けをこのようなターゲットに最大限寄せることができれば広告効果が上がり、従来のような大量投下を行わなくても従来以上の成果を得られることになります。よって同じ広告投資額の中で、他の「購買につながる施策」を打てるようになるはずです。

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 またデジタル広告(ここではテレビCMのターゲットリーチ補完を目的とするので動画CMを想定)のターゲット配信では、テレビよりはるかにターゲット精度が高くなるので、テレビとの補完効果、相乗効果を生みやすくなります。広告主はデモグラではなく購買層ターゲットでは、デジタル広告のターゲティング配信でどのようなことが可能かを検証すべきでしょう。

実データでシミュレーション

 では、CCCマーケティングさんの実際のデータをお借りしてシミュレーションしたものでご説明します。テレビのターゲットリーチを補完するというと、若年層や男性などテレビ視聴時間が比較的短くリーチしにくいターゲットを事例にあげるところですが、今回は敢えてテレビCMが届きやすい「香りの柔軟剤」カテゴリーで行ってみます。

 グラフは「香りの柔軟剤」カテゴリーのあるブランドの実際のテレビ出稿ですが、これは購買層セグメントでのターゲットリーチを表しています。グラフのようにテレビCMはターゲットリーチではあるサチュレーションポイントから、新たなターゲットリーチをとれなくなります。このポイントを見極めて、それ以降のGRP分を新たなターゲットリーチを生む可能性の高いデジタル動画出稿に切り替えるべきです。

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 この事例では、想定1,690GRPの出稿ですが、1,580GRPでテレビ出稿を抑えて、120GRP分をデジタルのターゲティング配信に振り分けることでターゲットリーチが同じ投資額で最大化できそうです。

次のページ
ターゲットリーチ補完のデジタル動画プラン

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役 ファウンダー
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36442

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