コロナ禍でEC化の需要が加速
――SOPHOLA(ソフォラ)社では、昨年5月にECサイト向け全自動化マーケティングプラットフォーム「AdScale E-Commerce(アドスケール・イーコマース)」の国内独占提供を開始されました。まずは、サービス提供開始の背景にある、EC市場の最新動向についてお聞かせいただけますか。
飯野:年々ECサイトの立ち上げやモール出店に関する相談は増えていましたが、コロナ禍を機にその数はさらに増えています。色々と話を聞く中でわかったのは、多くの方が「情報・選択肢が多すぎて」困っているということです。
「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった消費者向けのマーケットプレイスのどこに出店すればいいのか。自社ECを立ち上げたいけど、どのECプラットフォームを選べばいいのかといった相談を受けることも多いですね。
またECのインフラが多様化していると同時に、テクノロジーの発展により広告・集客の自動化や、AIで最適化するツールなども最近はたくさん出てきていますが、やはりそれもどれを選ぶべきかがわからなかったり、使いこなせていなかったりする状態にあるようです。
大企業であればECコンサルティング会社に依頼もできますが、中小企業の場合必ずしもそうはいきません。多くの情報や選択肢の中から自社に適した選択を行い、上手くEC化を進めている企業とそうでない企業で二分化してきているように感じますね。
EC立ち上げは簡単にできるように/しかし立ちはだかる2つの壁
飯野:また、市場のトレンドとして注目すべきは「Shopify(ショッピファイ)」の台頭です。Shopifyはカナダ発・世界最大のECプラットフォームで、日本でも利用企業がここ数年で急増しています。
私が思うShopifyの強みは次の3つ。
(1)簡単にECサイトを構築できる
(2)多種多様なアプリケーションによって機能拡張ができる
(3)低コストで導入できる
POSやアプリ、Webデータとの連携ができるので販促チャネルとしての拡張性も高く、さらに豊富なアプリを活用することで充実したサイトを作ることが可能です。
金額はベーシックプランが月額29ドル、かつ事業成長に応じてプランを切り替えられるため、今回コロナに直面したことでEC立ち上げを検討している企業にとっても始めやすく、継続しやすいサービスになっています。
――ECが始めやすい外部環境が整ってきているのですね。
飯野:はい。ですが実際にEC運用を進めようとすると、その前に大きな壁が立ちはだかっているんです。
1つは「時間の不足」です。リアル店舗を運営している事業者であれば、店舗業務に加えて、商品のデータアップ、EC側の商品在庫確認、発送、決済確認などの業務が追加で発生することになり、忙しくてなかなか手が回らないのです。
2つ目は「専門性・リソース不足」です。いざEC上で商品を見つけてもらおうと思っても、デジタル広告の始め方や効率的な使い方がわからなかったり、広告代理店に任せようにも予算規模的に難しかったり。特にコロナ禍で急遽EC化に舵を切った事業者は、こうした課題を抱えている企業がとても多いですね。
そうしたECサイト事業者の課題を解決するソリューションとして、開発されたのが「AdScale E-Commerce」になります。