SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

伝えるべきは目の前の「自然災害」だけではない、JX通信社がSDGsのタイアップを開始する理由とは?

 JX通信社のニュースアプリ「NewsDigest」は、自然災害や事故など身の回りにあるリスクをリアルタイムに届ける「速報性」を特徴とする。そのNewsDigestが広告商品としてSDGsをテーマにした特集を編成し、社会課題に取り組む企業と共に、コンテンツ制作に乗り出すという。その狙いについて、同社代表取締役社長CEO 米重克洋氏、およびマーケティング・セールス局 局長代理 長谷川氏に聞いた。

リスクを回避し、命を守る行動を促すテックベンチャー

MarkeZine編集部(以下、MZ):JX通信社といえば、報道分野ではかなり知られた存在ですね。

米重:ありがとうございます。弊社は報道分野に特化したテックベンチャーとして大きく二つの事業を展開しています。

株式会社JX通信社代表取締役社長CEO 米重克洋氏
株式会社JX通信社 代表取締役 社長 CEO 米重克洋氏

 一つは災害などのリスク情報を迅速に届ける「速報」です。日本は気候や地震など自然災害が多い国ですが、そうした災害情報をいち早く届けることで行動を変え、リスクを回避することを狙い、「NewsDigest」というニュースアプリを通して多くのユーザーに事件・災害情報などの速報を提供しています。

 また、速報分野では報道機関向けのBtoB事業として「FASTALERT」というサービスも展開しています。SNS等のビッグデータから事件や事故、災害を検知し、どこで何が起きているかを分析していち早く報道機関にお届けするもので、おかげさまで国内の報道機関ほとんどに導入いただいています。

 弊社のもう一つの事業分野が「データジャーナリズム」です。具体的には世論調査の実施やデータを活用したニュース情報をお届けしています。たとえば新型コロナウイルスに関してはかなり早い段階から取り組んできました。2020年2月頃から自治体や企業が発表するコロナウイルス感染者数や重症者数を統計情報としてまとめ、NewsDigestで提供しています。

 このリアルタイム性や正確性については多方面からご評価いただき、Yahoo!やLINE News、スマートニュースにもデータを提供しています。

MZ:一般向けアプリのNewsDigestで流れる速報は、FASTALERTがSNS等を通じて収集した事件・事故・災害情報も含まれるのですか?

米重:そうですね、自然災害や事故速報にはFASTALERTを通じて収集した速報の一部が届けられます。地図上で速報を紹介したり、またはユーザーの方の居住地域に合わせてローカル速報として出したりする場合もあります。そういう意味では、記事を報道機関に配信する従来の通信社のように、一次情報の発信者としての側面を持っています。

MZ:従来の通信社との最大の違いは何でしょうか。

米重:通信社という社名ですが、実は社員の4割はエンジニアで、基本的に「記者」はいないのが特徴です。冒頭にお話ししたとおり、純然たるテックベンチャーです。一次情報である事件や災害の情報は、SNSの投稿やつぶやきをビッグデータとして収集し、その正確性や報道価値をAIで評価したうえで配信しています。

 これまでの報道機関は多くの記者が人海戦術で取材・情報選別に当たり、ニュースを届けていましたが、それを機械で取捨選別し、それぞれの人に必要な形で迅速に届けることに注力しています。

 こうした技術力を背景に、今回私たちは自社アプリであるNewsDigestについて「その速報を待っている人たちがいる」という新しいブランドメッセージの下、企業の方々にNewsDigestのメディアとしての価値やその特長を広く訴求し、広告商品である「NewsDigest Ads」を刷新しました。そして、第一弾としてSDGs特集コンテンツを編成していくことを考えています。

「家族」を起点にリスク情報を知りたい人々が利用

MZ:ほかのニュースアプリと比べてNewsDigestはどのような特長があるのでしょうか。

長谷川:最大の特長は、米重がお話しした「速報性」ですね。また、扱う情報の種類も非常に豊富です。たとえば事件事故などのニュースや、地震・台風・線状降水帯などの自然災害、地域の速報、そして新型コロナウイルスといったように、さまざまな切り口で30種類以上の速報カテゴリーを用意しており、いち早く“いま何が起きているのか知りたい”というニーズに応えるものになっています。地域にしても、都道府県レベルからお住まいの市町村まで非常に幅広く、ハイパーローカライズされた多様な速報を届けています。

同社マーケティング・セールス局 局長代行 兼 AMP&CSチーム マネージャー長谷川貴一氏
同社 マーケティング・セールス局 局長代行 兼 AMP&CSチーム マネージャー 長谷川貴一氏

MZ:ユーザーの属性にはどのような傾向があるのでしょうか。

長谷川:男女比率は男性45%、女性55%とほぼ半々です。顕著な傾向として、ユーザーの9割が30歳以上で、男性に関しては5割近くが50歳以上と比較的年齢層が高い点が挙げられます。

 その理由について考えられる点が一つあります。それは、ご自身のリスク情報はもちろん、お子様や高齢のご両親なども含め身近にいる大切な人のリスク情報に非常に敏感な年代層という点です。自分の近くにあるリスク情報だけではなく、家族の住む地域のリスク情報をなるべく早く、詳しく知りたい方たちがNewsDigestを使っているのです。

 社会的に影響が大きい社会経済の速報から、ハイパーローカルな事件事故、自然災害の速報、電車の遅延に至るまでさまざまなリスクの速報をいち早く知り、自分や家族の10分後の行動を変え、リスクを回避したいニーズが根底にあると考えています。

 今回の「その速報を待っている人たちがいる」というブランドメッセージも、社会のなかで最も小さな単位である「家族」を起点に所属する組織など、自身のためだけでなくリスク情報を知りたい人たちがいるという社会性の部分に注目していただきたいという思いで作りました。

MZ:ユーザー数の伸びはいかがでしょう?

米重:NewsDigestは2017年より本格提供を開始しましたが、2020年以降急速にユーザー数が伸びており、直近の1年間では月間アクティブユーザー数も4倍に伸びました。ダウンロード数は500万に到達しています。

 背景にあるのは災害、そして新型コロナウイルスの流行があります。自然災害はご存じのとおり年々激甚化しており、社会全体にまつわるリスクとして人々が認識するようになりました。コロナも同じです。そうした事態を回避できるように、私たちもデータや情報を集め、2020年から独自の情報発信を行ってきました。そんな活動に関し、ユーザーの方が価値を感じていただくようになり、徐々に増えてきたと認識しています。

NewsDigestの媒体資料(SDGs特集コンテンツ含)のDLはこちらから

累計500万ダウンロードされたNewsDigestが始めるSDGs特集コンテンツでは、17の大きな目標に対して、どのような解決策が提示できるか、賛同いただける企業と共に考えてまいります。特集コンテンツの詳細についてご覧になられたい方は、媒体資料のダウンロードが可能ですので、ぜひご覧ください。

NewsDigest 媒体資料DLページ

目の前の「災害」だけでなく、「原因」も視野に

MZ:今回NewsDigestの広告商品を刷新し、その第一弾としてSDGs特集コンテンツを編成するとのことですが、まず広告商品についてどのような刷新を行ったのか教えてください。

長谷川:広告商品ですが、これまでは基本的にニュースフィードの間に広告枠を設け、アドネットワークと提携して広告を配信していました。いわゆる運用型広告です。これに対し今回の刷新では、NewsDigestが一次メディアとして、読者にとって有益な広告コンテンツを独自に編成・配信していきます。

MZ:最初のテーマをSDGsに設定した理由は何でしょう?

長谷川:自身に迫る大きなリスクとして、自然災害に関する関心が世間的に高まっています。大雨による河川の氾濫や土砂災害はいまや毎年のように起きており、「他人事ではない」と考える方も多いでしょう。

 同時に、そもそも自然災害を生み出してしまうのはなぜかという課題感、問題意識も高まっています。NewsDigestはリスク情報に関する速報性と豊富な種類がユーザーから支持されており、リスク回避に敏感な方々にお使いいただいています。こうした背景があり、コンテンツとしてSDGsは取り上げるべき社会的課題だと考えました。

米重:実はNewsDigestはこれまでコンセプトとして「情報のライフライン」という言葉を使っていました。「人々の生命に関わるような情報をいかにリアルタイムに届けるか」を解決するものとして取り組んできたのです。

 ただ、先ほどもお話ししたように災害は年々激甚化しています。その瞬間の災害は回避できたとしても、やはり長期的なスパンで「こうした災害を起こさないために」と考える機会を設けることは、メディアとして必要ではないかと考えました。SDGsだと13番が気候変動問題に当たりますが、まさにそこに直結します。

 私たちは防災という切り口が事業テーマでもあるので、そこを集中的に報道として取り上げていき、かつ、この姿勢に賛同いただける企業を巻き込んで、気候変動問題に取り組んでいる姿勢をきちんと発信するというムーブメントを作っていきたい。そう考えSDGs特集を編成することにしました。世の中の状況や、NewsDigestのユーザーの課題と相性も良く、有益な情報を提供できると考えています。

地震や選挙、正確な速報をわかりやすいコンテンツへ変えるノウハウ

MZ:これまでは通信社として、機械処理で必要なニュース、速報を配信してきたわけですが、今後は新たに広告コンテンツの制作も進めていくのですね。

米重:テック企業ですが社内にはコンテンツディレクターもおりますし、広告営業チームも含めて制作体制を組んでいきます。実際にこれまでもコンテンツ制作には取り組んできており、2020年は多方面にわたってコンテンツ制作に注力しました。先ほどお話しした新型コロナウイルス感染者の速報もその一つです。

 ほかにも、地震学者の慶應義塾大学・大木聖子准教授と共同で開発した「精密体感震度」機能をNewsDigestで提供しています。これは自分で感じた揺れの震度を投稿してもらうことで、震度計では見えない地域ごとの体感震度を可視化するものです。

震度計では捉えきれない地域ごとの揺れがわかる
震度計では捉えきれない地域ごとの揺れがわかる。

 自治体がこうした被害情報を収集するには30分〜1時間ほどかかるところを、10分以内に被害状況を網羅することができます。

 もう一つ、昨年秋に大阪の朝日放送さんと共同で、大阪都構想の住民投票に関する情勢報道を行いました。7週間連続で世論の動向を調査してリアルタイムでお届けし、さらにインフォグラフィックスでわかりやすくニュースとして提供したコンテンツです。

大阪都構想住民投票

 大阪ローカルの内容でありながら、短期間で非常に多くのトラフィックを集め、4週間弱で100万PVを達成しました。また大阪の朝日放送さんのYouTubeチャンネルの登録者数も数倍に増えたとのことです。

 私たちはこれまで一次情報にこだわり、いかに速く正確に届けるかに注力してきました。実際に報道コンテンツとして届ける際には「見やすくわかりやすく」を心がけ、社会的な発信力という意味でもいい実績を残してきたと自負しています。このノウハウを展開し、より良いコンテンツ作りに貢献したいと考えています。

長谷川:SNSやビッグデータ解析などから得た客観的なデータがあるので、SDGsに取り組む企業の広告コンテンツを制作する際、事実や正確性の裏付けに貢献できると思います。

米重:それをより伝えやすくする編集力、コンテンツ制作力も、この1年の間でかなり蓄積されましたね。

NewsDigestの媒体資料(SDGs特集コンテンツ含)のDLはこちらから

累計500万ダウンロードされたNewsDigestが始めるSDGs特集コンテンツでは、17の大きな目標に対して、どのような解決策が提示できるか、賛同いただける企業と共に考えてまいります。特集コンテンツの詳細についてご覧になられたい方は、媒体資料のダウンロードが可能ですので、ぜひご覧ください。

NewsDigest 媒体資料DLページ

リスクに敏感なユーザーだからこそSDGsへの関心も高い

MZ:SDGsに関しては近年雑誌なども広告特集として取り上げることが増えています。報道番組でも目にする機会が増えました。デジタルに限らず、広くさまざまな媒体と競合するなかで、NewsDigestがSDGs特集をする強み、特長は何でしょうか。

長谷川:大前提として、多くの企業が抱えている悩みの一つに、「SDGsなど社会貢献活動を広く発信する場所がない」というものがあります。オウンドメディアで発信している企業もありますが、やはり自社内でのアピールにとどまっているケースも多いです。

 様々なリスクに対して危機意識を持つユーザーが集まるNewsDigestでSDGs特集をすることは、企業にとってもユーザーにとっても有益なものになると考えています。

 加えて、IDFAの許可率がほかのアプリに比べると高いので豊富なユーザープロファイルを持っており、企業メッセージに共感してくれそうな相手を見つけやすいという利点もあります。たとえば速報では地域に密着したハイパーローカル型な情報も発信しているので、位置情報を公開しているユーザーさんも多いです。この点も他社アプリにはない特長だと思います。

米重:スマートフォンのメディアは紙メディアと比べ、身体との近さ、接触頻度が圧倒的に高い傾向にあります。普通にしていても1日何度かチェックしますし、速報が出ればその瞬間に接触します。メッセージをしっかり伝えたい企業の方にとっては、これもNewsDigestならではの強みになると思います。

さまざまな社会課題に向き合っていく

MZ:広告主とのパートナーシップのあり方について構想をお聞かせください。

長谷川:既にコンテンツをお持ちの企業に関しては、そのメッセージを伝えるプラットフォームとしてNewsDigestをご利用いただけます。そして、これから取り組みを発信していきたい企業に関しては、一緒にコンテンツを作っていくという関わり方ができます。その点で弊社は、編成力や見せ方の工夫、弊社の持つデータ活用などさまざまな方面から支援していきます。

米重:確かにデータジャーナリズムのノウハウは強みですね。弊社内だけでなく、企業が持っているデータをどう活用し、どのようにメッセージを作っていくかという点についても貢献できると考えています。

 たとえば保険会社さんなどは、災害に関するデータがたくさんありますが、それと同時に「こうすればリスクを回避できる」「こういう行動をすれば被害が減らせる」といった知見や数字も持っているでしょう。それらを伝わる形に情報デザインし、コンテンツを一緒に作っていくことができると思います。

MZ:第一弾がSDGsとのことですが、今後の展開を教えてください。

長谷川:SDGs特集は、フォーカスするテーマを変えて取り組んでいく予定です。形式は確かに記事広告ではありますが、見る人にとって有益なものであることを念頭に置いています。また、NewsDigestのユーザーは問題意識が高い方が多いので、自身に役立つ、環境に貢献したいと考えている方であればきちんと読んでくれるでしょう。

 だからこそ、純粋に内容そのものにメッセージや学びがあるコンテンツをご賛同いただける企業と一緒に作っていきたいと考えています。

米重:SDGsのなかでも、まずは防災と関連性が深い気候変動分野からスタートします。SDGsは17目標ありますので、それぞれのテーマにつて今後時間をかけて順に進めていくつもりです。

 またSDGs以外でも、地域に関わる住民投票や、それこそ新型コロナのような社会的な課題などテーマはさまざまです。社会に関わるテーマや課題を幅広く捉え、どのような解決策が提示できるかを賛同いただける企業と共に考え、普段の報道活動と合わせてお伝えしていくことを目指しています。

MZ:硬派なデジタルメディアだからこそできる取り組みですね。

米重:Web媒体の場合は特に、社会派のコンテンツというと経済・ビジネス系が多い印象があります。しかし、もっと純粋に私たちが生活する「社会」という切り口で発信していくことは、まだまだ可能性が広いのではないかと思っているんです。弊社はニュースキュレーションアプリも持っていますが、硬派の一次メディアとして発信できることは積極的にやっていきます。それは競合他社にない強みであり、企業に提供できる弊社ならではの価値だと思っています。

MZ:ありがとうございました。

NewsDigestの媒体資料(SDGs特集コンテンツ含)のDLはこちらから

累計500万ダウンロードされたNewsDigestが始めるSDGs特集コンテンツでは、17の大きな目標に対して、どのような解決策が提示できるか、賛同いただける企業と共に考えてまいります。特集コンテンツの詳細についてご覧になられたい方は、媒体資料のダウンロードが可能ですので、ぜひご覧ください。

NewsDigest 媒体資料DLページ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/08/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36849