電通と電通マクロミルインサイトは、AIチャットボットが自動的に生活者インサイトを深掘り調査する「Smart Interviewer(スマートインタビュアー)」のβ版を共同開発し、企業向けに提供を開始した。
これにより従来の調査手法では難しかった「一人ひとりに階層構造で深掘り」した聴取を、「大人数に同時に実施」することが可能となる。
同ソリューションは電通独自開発のAI日本語対話エンジン「Kiku-Hana(キクハナ)」に、電通マクロミルインサイトがこれまで培ってきた生活者の潜在ニーズの発掘、分析・解釈のノウハウ、仮説構築につなげる知見を掛け合わせて開発した。また人の意識や商品価値を階層構造で聴取していく「ラダリング手法」が搭載されている。聴取したい階層構造や想定回答を事前にAIに学習させることで、階層構造に沿った質問をAIが自動で行い、回答を引き出すことが可能だ。
2020年に500名に対して実施した、飲料ブランドの動画広告に対する印象評価に関する実証実験では、一人あたりの回答文字量は4.3倍、回答切り口の数は2.4倍まで増加。これに対し「特になし」などの回答は72%低減し、より具体的な回答を得られた。さらに対象者の73%が「回答しやすい」と評価した。
今後はさらなる機能拡張や他ツールとの連携を進め、分析機能やユーザビリティの高度化を図りながら、応用可能な領域を広げていく予定だ。
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