パイオニアでBtoBマーケティングを担当
野崎:今回は、2021年2月からパイオニアに入社した汐満さんに話をうかがいます。マーケティング界隈で活躍されている方が続々と入社していて、レガシーな印象のあるパイオニアに何が起きているんだろうと非常に気になっていました。
今回の取材では、汐満さんのキャリアを振り返るとともに、パイオニアのような大企業のマーケターに求められるスキルやマインドを探りたいと思います。まず、現在どのような職域を担当しているのか教えてください。
汐満:現在はデータソリューション事業を扱うモビリティサービスカンパニーでクラウド型運行管理サービス「ビークルアシスト」のBtoBマーケティングを担当しています。具体的には、前年の3倍のリード獲得および商談の創出を目的に、イベントや自社ウェビナーの企画・実行、インサイドセールスチームの立ち上げに携わっています。
野崎:汐満さんはパイオニアで何社目ですか?
汐満:社員としては5社目です。途中独立してフリーランスなども経験しました。
野崎:それだけの社数を経験している方は、ベンチャーやスタートアップ企業を転職先に選ぶケースが多く、一般的に大企業は中途入社の場合、経験社数が多いとNGなケースもあります。汐満さんのキャリアは、非常に貴重なケースでしょう。そんな転職が実現できた理由をこれから紐解いていきたいと思います。
サイバーエージェントでメディア営業を担当
野崎:まず、新卒ではサイバーエージェントに就職されていますよね。
汐満:はい、2010年4月に新卒入社しました。入社後は、Ameba事業本部でAmebaの広告枠やオフラインイベントなどに関するプロモーションの提案を広告代理店様や広告主様に行っていました。
野崎:当時の経験が今に活きている部分を教えてください。
汐満:企画力のベースはサイバーエージェント時代の経験が活きていると思います。純広告以外はゼロから企画を設計して提案する必要があり、たとえばイベントの協賛枠を提案する際も、イベントの中でどういった企画を行うかまでご提案しておりました。
野崎:売り物が決まっていなかったわけですね。汐満さんの扱っていた商品は流動性が高く、企画力やコミュニケーション設計に関するスキルが身に付きやすかったのでしょう。ファーストキャリアで汎用性の高い経験をしっかりと積めていますね。それが現在のBtoBのウェビナー企画などにも活きているのではないでしょうか。
ちなみに、なぜサイバーエージェントを1社目に選んだのでしょうか?
汐満:元々、短時間で態度変容を促すテレビCMに対して幼少期から興味がありました。また、就活の際には3つの基準に当てはまる企業しか受けませんでした。1つ目は広告に関連する企業、2つ目は業界最大手かそれに準ずる企業、3つ目は事業の成長確度が高い企業です。
その中でも当時伸びているインターネット広告を取り扱うサイバーエージェントは、社内異動に関する制度も充実していて、若手が活躍できるチャンスも大きかったので、入社したいと考えました。
野崎:当時から自分が選んだ会社でどういったスキルセットが得られて、キャリアを築いていけるかを意識していたんですね。計算高いです(笑)。自分が働く市場、ポジショニングを客観視しながら、逆算してキャリアの選択をしていくスタンスは、読者の方も参考にしていただきたいです。
その他にサイバーエージェントで担当していた仕事はありますか?
汐満:スマートフォンの広告商品を作る部署で企画にも携わりました。セールス以外の経験ができたことは今でも大きな財産だと思っております。