※本記事は、2021年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』68号に掲載したものです。
2021年に入り、突如として話題となったアメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」。参加には他のユーザーからの招待が必要という制約がある中、2021年1月時点で全世界のアクティブユーザー数が200万人を突破している。芸能人や著名経営者の生の声を聴けるとあって、若い世代を中心に注目を集め、日本国内でも急速な広がりを見せた。当初アプリを利用できるのはiOSのみだったが、5月にはAndroid用のβ版アプリもリリースされ、さらなる利用者拡大・定着となるのか、その動向が注目されている。
今回の「データで読み解く」では、リサーチとデータ活用でマーケティング支援を行う株式会社マクロミルの「ブランドデータバンク」のデータから、実際に「Clubhouse」を利用している人をピックアップし、どのようなライフスタイルを送っているのかを明らかにしていく。
なお、Clubhouseユーザーについては、ブランドデータバンク第32期調査(2021年1月実施)の回答者に追跡調査を行い抽出した。具体的には、以下の質問でいずれかの頻度で「Clubhouse」を利用していると回答した人(n=512)を分析対象とし、ブランドデータバンクの15〜59歳全体(n=20,873)のスコアと比較している。
質問文:
あなたは、招待制音声SNSアプリ「Clubhouse」を知っていますか。知っている方は、「Clubhouse」の利用状況について、どれにあてはまるかをお答えください。
- ・「Clubhouse」を知らない
- ・「Clubhouse」に招待されていないので、利用していない
- ・「Clubhouse」に招待されているが、利用していない
- ・ほぼ毎日利用している
- ・週4〜5日程度利用している
- ・週2〜3日程度利用している
- ・週1日程度利用している
- ・2週間に1日程度利用している
- ・1ヵ月に1日程度利用している
- ・1ヵ月に1日未満の頻度で利用している
平均年齢は若いが個人年収は高め 消費行動に積極的で貯蓄もしっかり
まずは、Clubhouseユーザーのプロフィールを見ていこう。図表1の男女比のグラフを見ると、男性の割合が65%と高い。年代の内訳では20〜30代が多く、次いで40代が多いが、15〜19歳も17%を占めており、平均年齢は33.3歳となっている。
職業については会社員が55%で過半数を占めており(全体比+11ポイント)、また学生も19%(全体比+7ポイント)と多い。一方で、専業主婦/主夫の割合は4%(全体比−8ポイント)と少ない。
個人年収は平均479万円で、全体平均(383万円)と比べて大幅に高い。世帯年収の平均も721万円で、全体平均(599万円)より高い。そのため、1ヵ月に自由に使える金額(平均47,300円)や1ヵ月の貯蓄額(平均49,100円)も全体平均と比べて高めの金額となっているのが特徴的である。
平均年齢が若いにもかかわらず自身の年収が高く、貯蓄をしながら自由に使えるお金もあるということから、生活に余裕があり自分のためにお金を使えるタイプだと言える。