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数字が動く背景まで見ているか?マーケターに今伝えたいこと:bloomee戸口×ラクスル田部×西口鼎談

 デジタルの発展と浸透は、新しいビジネスを生み出し、また加速させる原動力にもなっている。そのなかでマーケターはどうアンテナを張り、どのような考え方を持てば、その波を味方につけられるだろうか? 特に、デジタルに強い若手マーケターは何を補完すべきなのか。本稿では花束のサブスクサービス「bloomee」を運営するCrunch Styleの戸口興氏、ラクスルの田部正樹氏、そしてコンサルタントの西口一希氏の3氏が集い、一回りずつ世代が違うそれぞれの視点から語り合った。

より大きな成長を目指し、戦略から再設計

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、お三方のつながりをうかがえますか? 田部さんが、「bloomee」のコンサルティングとして西口さんを紹介されたそうですね。

田部:はい。もともと昨年から、当社の運用型テレビCMの仕組み・ノバセルを通して、bloomeeの地方局でのCM運用をお手伝いしていました。徐々に勝ち筋は見えてきていたのですが、我々はあくまでCMという戦略実行の手段=HOWを提供しているので、さらに大きく成長するにはもっと上流の戦略部分のサポートが必要では、と戸口さんと話をしたんです。そこで、西口さんにコンサルティングを依頼することになりました。ちょうど1年前くらいですね。

MZ:戸口さんと西口さんは、当時と現時点の所感など、どのようにお感じですか?

戸口:西口さんに入っていただいた昨年は、コロナ禍の影響で在宅時間が増えているタイミングで、価値観が変わりつつある方々にbloomeeの価値を感じていただけるのではないかと考えていました。そこで関西、関東とCMを出稿し、想定以上の手応えを得ているのが現状です。

お花の定期便「bloomee」。550円~と手ごろな価格で家やオフィスのポストに花束が届く。利用者は10万世帯を突破した。

お花の定期便「bloomee」。550円~と手ごろな価格で家やオフィスのポストに花束が届く。
利用者は10万世帯を突破した。

西口:田部さんのご紹介でbloomeeを知ったのですが、まず、世の中に望まれるビジネスだと直感しました。生花は幅広い方に幸せや豊かさを提供しますが、生ものであるだけに、流通の非効率性がとても大きい。その点、デジタルチャネルを使って直接ご家庭やオフィスに、しかもポストに届けるビジネスは、伸びないはずはないと思いました。

 なので、課題は「認知されていないこと」だけだと。そこから1年で、ある程度の伸長を実現できました。

(左)M-Force 共同創業者/Strategy Partners 代表取締役 西口一希氏(中央)ラクスル 取締役CMO/ノバセル事業本部長 田部正樹氏(右)Crunch Style 取締役CMO 戸口 興氏
(左)M-Force 共同創業者/Strategy Partners 代表取締役 西口一希氏
(中央)ラクスル 取締役CMO/ノバセル事業本部長 田部正樹氏
(右)Crunch Style 取締役CMO 戸口 興氏

西口さんとまず取り組んだこと

MZ:西口さん、田部さん、そして戸口さんは世代がおよそ一回りずつ違うとうかがっています。マーケターとしての経験・キャリアの積み方もそれぞれ異なるのかもしれません。戸口さんはいわゆるデジタルネイティブ世代で、前職でもRettyなどのデジタルサービスに携われていましたよね。その視点で西口さんと組まれて、気付いた点などは?

戸口:ディスカッションするたびに気付かされることばかりですが、初期のころで大きかったのは「いかに顧客の解像度が低かったか」ということでした。以前から、たとえばユーザーのご自宅を訪問させていただくなど、リアルな生活環境やサービスがどう受け入れられているかを知ろうと努めてきたのですが、全然足りていなかったな、と。

 その点は、今もまだまだだと思っています。どのような方々にどのような価値を提供するか明確にしてゆく難しさを、日々実感しています。

西口:花はどんな人に対しても、和ませたり安心感を与えてくれたりするものです。ただ、だからといってオールターゲットでは、正しい投資判断ができません。どういう状況のどんな人が、まず強く望んでくださっているのか。たとえばロイヤル顧客と離脱した顧客にインタビューし、心理の差に注目したりして、顧客の解像度を高めていきました

 加えて「何を価値として提供するのか」という部分も、1年の間に掘り下げてきました。街の花屋さんでは、希望通りの花束や豪華なアレンジメントを頼めたりしますよね。bloomeeはその点は難しいですが、買いに行ったり宅急便を受け取ったりできなくてもポストに届くという大きな利点があります。これによって、花のある生活を楽しめる人の幅が広がり、結果として花の市場を広げる一助にもなると考えました。

田部:充実ぶりが伝わってきます。私は先日久しぶりに戸口さんに会ったのですが、1年前とはまったく違う言葉で会話をされていたので、驚きました。

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戸口さんの言葉に現れた「視点の変化」とは?

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37101

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