総務省は、インターネット、ソーシャルメディア等のインターネット上のメディア、テレビ、ラジオ等の情報通信メディアについて、利用時間の長さ・時間帯、利用率、信頼度等を継続的に把握し、新聞、雑誌等の情報通信メディア以外のメディアを含め、メディア間の関係や利用実態の変化等を明らかにすべく、東京女子大学との共同研究の上調査を行い、その結果を発表した。
全年代で平日のインターネット平均利用時間が初のテレビ超え
まずはテレビ、インターネット、新聞、ラジオの利用時間と行為者率を調査した。全年代では、平日のインターネット平均利用時間がテレビ(リアルタイム)平均利用時間を初めて上回った。
平日はテレビ(リアルタイム)視聴の時間帯別行為者率が高い20時台と21時台、休日はテレビ(リアルタイム)視聴の時間帯別行為者率が最も高い20時台に、並行利用(ながら視聴)が多い傾向にあった。
また19時台から22時台までのゴールデンタイムには、テレビ(リアルタイム)視聴に占める並行利用(ながら視聴)の割合は、平日は10代の22時台、休日は20代の22時台で最も高くなっており、60代は、平日、休日ともに他の年代と比べて低い結果となった。
10代が休日に動画サービスを見る平均時間は100分を超過
次にインターネットの利用項目別の利用時間を調査した。結果、休日の10代の「動画投稿・共有サービスを見る」、休日の20代の「ソーシャルメディアを見る・書く」「動画投稿・共有サービスを見る」場合の平均利用時間がいずれも100分を超過していた。
経年で見ると、10代・20代の「ソーシャルメディア利用」の行為者率が高い水準で推移しているうえ、40代の行為者が初めて50%を超過したことがわかった。
全年代でLINEの利用率が初めて90%超え
主なソーシャルメディア系サービス・アプリ等の利用率を調査したところ、全年代ではLINEの利用率は一貫して増加し、今回の調査で初めて90%を超過した。年代別で見ても、10代から40代で90%を超えてた。
Facebookの利用率は、40代および60代を除く各年代で減少。10代では利用率が20%を下回り、各年代の中で最も低い利用率であった。Instagramの利用率は、全年代で一貫して増加しており、今回の調査ではTwitterに並ぶ利用率となった。
動画共有系はYouTubeの利用率が高く、10代から40代で90%を超えた。
20代を除く各年代で、信頼できる情報を得るためにテレビを最も利用
最後に目的別の利用メディア、メディアの重要度や信頼度を調査した。
結果、目的別の利用メディアにおいては、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ため、10代から40代ではインターネット、50代・60代ではテレビを最も利用していることがわかった。
また「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ため、20代を除く各年代でテレビを最も利用。新聞は、年代が上がるとともに利用する割合が高くなり、50代・60代ではインターネットを上回る水準であった。
「趣味・娯楽に関する情報を得る」ため、各年代でインターネットを最も利用しており、10~30代では80%を超えた。
メディアの重要度において、「情報源としての重要度」は10代から30代ではインターネット、40代から60代ではテレビが最も高かった。メディアの信頼度においては、30代から60代では新聞が最も高く、10代ではテレビの信頼度が新聞よりも高かった。
【調査概要】
調査対象:13歳から69歳までの男女1,500人
サンプルの構成は性別・年齢10歳刻みで令和2年1月住民基本台帳の実勢比例
全国125地点にてランダムロケーションクォータサンプリングにより抽出
令和2年度調査においては、試行的に70代の男女(282人)についても調査を実施
調査方法:訪問留置調査
調査の実査は、山手情報処理センターが実施
調査対象期間:令和3年1月12日(火)~1月18日(月)
日記式調査とアンケート調査を併行実施
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