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WebサイトのコンバージョンとKPI/KGIを再考せよ

Webサイトで生じる4つの障壁から導く、「フリクションレスな体験設計」とは?

 WebサイトのコンバージョンとKPI/KGIを再考する本連載。前回は、Webサイトに起きている2つの変化「ユーザー層の拡大」「オンラインコミュニケーションの変化」と、パーソナライズと長期的な関係性構築の両方が重要になっていることを解説しました。それを両立するアプローチとして「フリクションレスな体験設計」があります。今回は、フリクションという概念と、実際の改善方法を解説します。

フリクションとは?

 「フリクション」とは「ユーザーの離脱要因となる体験上の様々な障害」を指します。

 フリクションを取り除くように体験を設計することで、Webサイトのコンバージョンを改善しつつ同時に顧客体験も改善し、長期的な関係性構築にもプラスに作用させることができます。

 なお「フリクションレス」という概念は以前から存在しており、キャッシュレス決済などの文脈でも見かける言葉です。筆者はWebサイトの文脈でも有効な概念だと考えており、本記事ではWebサイトのフリクションにフォーカスしてお話していきます。

 2020年のMarkeZineの記事「OMO時代の体験設計はシームレスから「フリクションレス」へ/オイシックス奥谷×グーフ岡本対談【前編】」では、オイシックスCOCOの奥谷さんは次のように説明されています。

フリクションレスとは、「消費者が、欲しい情報や求めている体験、コンテンツに何の障壁もなくアクセスできること」をさします。

 ここでは「障壁」とは何かを考えていきましょう。まずは、大きく次の2つのパターンがあります。

  • (1)ユーザーが求める情報・コンテンツが存在していない
  • (2)ユーザーが求める情報・コンテンツは存在している

 前者であれば、単純にそのコンテンツを用意することが打ち手になります。ただ、ビジネスとしてWebサイトを運用していれば、必要な情報は既に存在していることがほとんどです。筆者の経験上もことさら「これがない」ということはそこまでないと感じています。逆に言うと、だからこそ後者のパターンなのに、ユーザーが情報に到達しないのはとてももったいない話です。

 では、どのようなことがフリクションになるのでしょうか?フリクションを理解するには、ユーザーがどのような順序で情報にたどり着くのかを考えることから始めましょう。

Webサイトにおけるフリクションの例

 わかりやすい例として、第1回「Webサイトに訪れた2つの変化とは?コンバージョン改善のプロセスをアップデートせよ」でも紹介したハンバーガーメニューで考えてみましょう。

 ハンバーガーメニューをクリックしたことがないユーザーを対象に画像のようなポップアップを表示したグループは、表示しなかったグループと比べてCVRが25%向上しました。この場合「ハンバーガーメニューをクリックしたことがないユーザー」にとって、何がフリクションになっていたのでしょうか?

 この案内を見たことで「ハンバーガーメニューのアイコンを押せると思っていなかった」ユーザーが、「押せばメニューが開くことを理解できた」と考えられます。

 つまり、ユーザーにとってハンバーガーメニューのアイコンはメニューを開くものとして認知されていなかったということになります。認知されていなければ、当然このアイコンを押すことはありません。その結果、商品一覧にたどり着くことができなくなります。

 この例では「商品一覧を見たいけれども、どうすればそこにたどり着けるかがわからない」というフリクションが存在したという仮説が導けます。「ハンバーガーメニューのアイコンをクリックしたことがないユーザー」に対して案内を表示したことで、そのフリクションを解消できたと考えられるわけです。

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Webサイトでフリクションが生じる4つの障壁

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この記事の著者

深田 浩嗣(フカダ コウジ)

15年にわたりモバイル領域でのデジタルマーケティングを提供しECを中心に200社以上のWebサイト立ち上げ・改善を実施。2014年、株式会社Sprocketを設立、Web接客手法でコンバージョンを最適化するツール「Sprocket(スプロケット)」を開発・販売する。短期的なCVRの向上にとどまらず、中長期的...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/37231

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