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自社がデジタルとフィジカルで提供できる価値はどう探る?ユーザー視点で捉えるリテール体験フレームワーク


導き出される課題に対しての打ち手(施策)を探す

コンセプトシートで課題と施策をリンクさせる

 最後のステップとして、リアル・デジタルカスタマージャーニーマップで導き出した要求を元に、課題を洗い出し、具体的な施策に落とし込みます。その際に役立つものが「施策のコンセプトシート」です。

施策のコンセプトシート
施策のコンセプトシート

 このシートを作ると、要求に紐づく課題に対して、どのような体験を目指すべきなのかの軸が定まります。じっくり接客するパーソナルな購買体験を目指すべきなのか、ECでの購入がしやすいようにあえて店舗での試着や確認を気軽にできるようにするべきなのかなど、ユーザーの要求を捉え、最適な体験を提供するためのコンセプトを作りましょう。

施策シートで具体化

 施策のコンセプトシートが完成したら、施策シートを使ってその体験を生み出す施策を検討します。

施策シート
施策シート

 「リアルでの施策」「デジタルでの施策」の枠を使い、それぞれで考えられるアイデアを自由に書き出しましょう。現時点で実施している施策がある場合、その施策自体に課題があれば、改善策を加えると良いでしょう。

無理がないか、自社中心になっていないか考える

 アイディアが出揃ったら、各施策が「点と線でつながるように一貫した体験であること」を意識するために実際のユーザーが行動しそうな導線で、先ほどまとめた施策を利用してもらえる流れの「ユーザーストーリーシート」を作りましょう。

ユーザーストーリーシート
ユーザーストーリーシート

 リアルとデジタルを掛け合わせながら、来店から退店後までにコンセプトに沿った体験が提供できそうかをストーリーにまとめることで、より具体的な施策に落とし込みやすくなります。なお、この際にひとつでも引っかかる内容があれば、全体を見直しましょう。

 リアルでの施策・デジタルでの施策がつながり、利用するユーザーにとってシームレスな体験を目指せているのかをこのタイミングでも確かめることで、施策を実施した際に体験として成功しているのかを把握する裏付けにもなります。

 無理のないユーザーストーリーシートができたら、いよいよ施策の実施フェーズです。想定した価値を提供できているか、データやユーザー行動を可視化し改善や次の打ち手を考え、サイクルを回していきます。

施策はユーザー視点が重要

 今回ご紹介したユーザー視点でのフレームワークは、自社のユーザーがどのような体験を望んでいるのか?を洗い出し、整理するためにご活用いただくことを目的としています。

 施策に落としこむ前にユーザー視点で課題を認識するプロセスに踏み込んでみると、今まで気づかなかった視点や単体で行なっていた施策ではリーチできていないなどの気づきがあるかもしれません。ぜひこの機会に取り組んでいただけたら幸いです。

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この記事の著者

仙崎 萌絵(センザキ モエ)

 ネットイヤーグループ株式会社 /HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト
 UXデザイナーとして、デジタルマーケティング支援において様々な企業のウェブサイト・サービスにおけるUX/情報設計やユーザビリティ評価に携わる。2020年7月から「デジタル&フィジカルデザイン部」に参画し、デジタルとフィジカル(リアル)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/25 18:07 https://markezine.jp/article/detail/37351

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