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アスクルがDX型組織で実践する、パーパス・ドリブンマーケティング

データはみんなから集めてみんなに還元する

 アスクルがパーパス・ドリブンでビジネスを展開していく際、最も重要になるのが、「データはみんなのもの」という考え方でオープンイノベーションを推進していくことだ。

 「アスクルは、得意な方が得意な分野を担うことで全体をより良いものにしていく、という発想を大切にしており、社内では『餅は餅屋メソッド』と呼んでいます。商品を提供してくださるメーカーさんをはじめ、たくさんのパートナーさんも含めて、“ひとつの大きな塊”として見ているのです。だからこそ、この仕組みの中で得られたデータも『みんなのもの』と考えています」(宮澤氏)

講演資料より(クリック/タップで画像拡大)
講演資料より(クリック/タップで画像拡大)

 アスクルは、検索、受注、出荷、配送といったプロセスから膨大なデータを収集・分析しているが、これらのデータは個人情報を含まない処理を施した上で、メーカーなどのパートナーに提供、もしくは自由に閲覧できる仕組みを用意している。

 一方、メーカーがアスクルにさまざまな情報を提供する場合もある。そうして集められたデータもまた分析し、サービス改善に活用することで、顧客や社会に価値を還元している。オープンイノベーションの姿勢と仕組みが、アスクルのビジネスの強みになっているのだ。

DXのための組織改革、教育にも注力

 最後に宮澤氏は、パーパスを軸に進んでいる同社のDXの試みを紹介。「アスクルDXステートメント」として6つを提示している。

講演資料より(クリック/タップで画像拡大)
講演資料より(クリック/タップで画像拡大)

 DXの推進は、組織改革とも表裏一体になっている。以前はITやデータ関係が集約した部門に、事業部門からデータ分析などを依頼する、受発注のような関係性だった。一方、現在は事業部門の中にディレクションができるシステムプランナーやデータサイエンティストなどを配置。これにより、事業部門のITエンジニアがビジネス変革を主導できるようになった。今現在進行形で起きている課題やその対策を一緒に話し合うことが可能になり、スピーディーな解決につながっているという。

 組織変革を下支えするのが、教育だ。エンジニアやデータサイエンティストの採用・育成にも取り組み始め、独自の社内研修プログラム「ASKUL DX ACADEMY」を通して、全社員向けと技術系向けに講義を実施している。

 データを軸にした他社との協業や、組織づくり、また社員の育成までも同時に進めていく。「その時に皆の心のよりどころになり、駆動力にもなるのがパーパスです。個々の社員が学習や課題解決をする際、”成される意義”を見据えて進んでいけるようにしたいです」と、宮澤氏は講演を締めくくった。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/11/01 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37385

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