YouTubeの機能を駆使し、コンテンツ自体を収益化
ここまでブランディング、プロモーションでの活用成功事例をご紹介しましたが、YouTubeの動画で新たな売り上げ創出に成功しているケースもあります。
まず、YouTubeを使用して考えられるマネタイズの代表的な手法で言うと、YouTube内で配信されるAdSense(アドセンス)広告での収益獲得が挙げられます。
フロムワンが運営するサッカーキングは、編集部員がサッカーに関連する様々な企画を発信しているアカウントです。ほぼ毎日更新をしていて、現役選手や監督も出演するなど、サッカーファンからの信頼度も高いチャンネルとなっています。

こちらのチャンネルでは、AdSense広告の導入のほか、YouTubeの機能の一つであるチャンネルメンバーシップを活用したマネタイズを行っています。チャンネルメンバーシップとは、チャンネルが設定した月額料金を支払うことで、メンバー限定の特典を受けられる機能です。
サッカーキングでは、月額490円のチャンネルメンバーシップを設定しています。チャット内で使用できるメンバー限定の絵文字が付与されるほか、メンバー限定の動画、ライブ配信の閲覧ができます。
ライブ配信ではYouTubeの機能であるSuper Chat(スパチャ)も活用しています。Super Chatを有効にすることで、視聴者は自分のメッセージをチャット内で目立たせられます。購入金額によって、固定表示される時間は異なります。YouTubeの機能をふんだんに使い、マネタイズを上手に行っている例です。
YouTubeはこれらの機能のほか、続々と新しいマネタイズ機能を発表しています。たとえばSuper Stickersはデジタルやアニメーションの画像で、これを購入することで視聴者はライブ配信中に気持ちをアニメーション画像で伝えられます。
また同社は、2021年7月にはSuper Thanksのベータ版の提供を開始しました。Super Thanksを購入することで、特典としてクリエイターの動画のコメント部分に自分のコメントを色付きで表示することができます。
自社のコンテンツを醸成し、他社とタイアップを行う
生活道具やファッション小物、洋服のEC販売をしている北欧、暮らしの道具店の公式YouTubeアカウントでは、ターゲットユーザーである30~40代女性に合わせた動画コンテンツを多く発信しています。

他のYouTubeでも常に人気企画の一つである、モーニングルーティーン動画やレシピ動画、ルームツアー動画を取り入れており、視聴回数はどれも高くなっています。
中でも特徴的なのは、動画企画の一つとして短編ドラマを制作している点です。「青葉家のテーブル」というドラマを発信しており、同社の動画の中でもとりわけ再生回数が高い人気のシリーズとなっています。2021年には映画も公開されました。
こうした短編ドラマを発信しながら、企業とのタイアップでスピンオフのドラマも制作・公開しています。企業アカウントであっても、動画の魅せ方、発信方法次第では、他の企業とのタイアップができます。