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TikTok運用の現場から!

話題の「Spark Ads」って何がすごいの?ゼロから学ぶTikTokの広告プロダクト

純広告と運用型広告の弱点を補完!Spark Adsの特徴

MZ:次は注目の広告プロダクトについて教えてください。

田中:特に注目しているのは、2021年7月にリリースされたばかりの「Spark Ads」で、簡単にいうとTikTokにおける第三者配信です。

 たとえばある商品を5人のクリエイターにPRしてもらい、あるクリエイターの投稿が一番エンゲージメントが高いとわかったら、PR投稿にCTAボタンをつけ、広告費をかけてブースト配信をすることができるというものです。「商品が気になる」「欲しい」という感情を持ったユーザーに、すぐ商品ページに飛んでもらえることで、機会損失せずにCVにつなげることができます。

(左)クリエイターによるPR投稿(右)その投稿を「Spark Ads」として掲出したもの。下部に「詳細を見る」というCTAボタンが付いている。(提供 HADO)
(左)クリエイターによるPR投稿(右)その投稿を「Spark Ads」として掲出したもの。下部に「詳細を見る」というCTAボタンが付いている。(提供 HADO)

 これは純広告でよく使われている「クリエイタータイアップ」と運用型広告、それぞれの弱点を補完するフォーマットだと思っています。

MZ:なるほど。詳しく教えてください。

田中:「クリエイタータイアップ」はTikTokに馴染むUGC感あるクリエイティブが作れるため、ユーザーに受け入れられやすく、高いエンゲージメントが期待できるのが強みです。一方で、TikTokのUI上、CTAボタンの概念がなく、URLの遷移率が非常に低くCVには向かないという難点がありました。

 運用型広告のデメリットとしては、企業がコンテンツを準備するため、TikTokerのコンテンツに比べてUGC感が出しにくいことが挙げられます。また、課金した分しか「いいね」がつかないため、初動のハードルも高くなってしまいます。この点、Spark Adsでは企業のアカウントではなくクリエイターのアカウントを使用できるのが大きな強みです。

森:私はTikTokに限らず広告プロダクトには旬があると思っているのですが、Spark Adsをやるなら今だと思っています。YouTubeやTwitterの広告プロダクトがたどってきた道を見ればわかります。どちらもSpark Adsと同様の第三者配信の広告プロダクトを提供しており、リリース直後は非常に高い効果が出ましたが、それが使われ続けた結果、初期ほどの効果は見られなくなっていきました。

 広告プロダクトは、早く見つけて一番いいときに実施すれば抜群の効果があります。Spark Adsは今がその時だと思っています。

ターゲティングは他のSNS同様「お任せ」がおすすめ

MZ:TikTokで広告プロダクトを使う時、ターゲティングはどこまでしたらいいでしょうか。アルゴリズムに任せていいのでしょうか。

田中:TikTokでは現在、年齢や性別に加えて、金融、旅行、ファッションなど15の興味・関心キーワードでのターゲティングができます。ですが、アルゴリズムが優秀なため、当社では年齢や性別だけを指定して、あとはTikTokに「お任せ」することが多いですね。そのほうが効率よく効果が出せると思っています。それに、現時点でのユーザー数を踏まえると、あまり絞り込んでしまうとCPM(インプレッション単価)が高くなってしまいます。

 マッチングの仕組みとしては、TikTokはコンテンツとユーザーの双方に、ハッシュタグのようなものを自動で付けて分類していると言われています。コンテンツには「どのようなジャンル・内容が含まれているか」、ユーザーには「どういうハッシュタグが好きなユーザーか」というタグ付けをしているのです。そのうえで年齢と性別だけを絞って、コンテンツをランダムな1,000人に配信した場合、明らかにエンゲージが高い層と低い層が出てきます。それを数度繰り返して、相性の良いユーザーを絞り込んでいるわけです。

森:リスティング広告はワードの選定などが必要ですが、SNS広告は全般的に、AIに任せたほうが効果が出やすくなっていますね。クリエイティブやコピーライティングに時間を割いて、配信に関しては「お任せ」がよいと思います。

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効果の高い広告クリエイティブの共通点とは?

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37932

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