「TikTok売れ」をブランド主導で起こすには
TikTok売れをブランド主導で引き起こすためには「アテンション」「イマジネーション」「アクション」の3つの要素を販促コンテンツ上で実現することがポイントだと考えています。
まず、アテンションです。ここではユーザーの注意をコンテンツ開始1秒の間で引きつけることを指します。TikTokは短尺動画が次々と配信されるプラットフォームであるため、ユーザーはそのコンテンツを「見る価値があるか否か」を1秒程度の極めて短い時間で判断します。この段階でスワイプされてしまえば、どれだけ一生懸命コンテンツを作り込んだとしても「良いコンテンツ」として判断されません。まずは「見るに値する」とコンテンツ開始1秒以内に感じてもらえるよう、意外性やティザー性(商品などの情報を小出しにすること)をコンテンツの冒頭に盛り込むことが重要です。
次にイマジネーションについてです。TikTokの強さは「衝動買い」を引き起こすことにあるため、ユーザーが商品やサービスを使っている自分の未来の姿を直感的にイメージできることが大切です。衝動買いには「穴を開けたいのでドリルを買おう」といった論理的なニーズが存在することはまれで、「面白い!」「綺麗!」「楽しそう!」といった感情・感性・感覚に誘発されます。こうしたことから、商品やサービスを使った時にどういう気持ちになるか叙情的に表現し、ユーザーにその情景を「感じられる」よう訴求することがポイントとなります。
最後、アクションですが「ユーザーが商品やサービスを手に入れるために何をすればいいかを理解できること」が極めて重要です。TikTokのオーガニック投稿では、現在ECサイトへの直接的な導線を投稿に紐づけることはできないため、商品やサービスを手に入れる、あるいは利用するために「どこに行き」「何をすれば良いか」が明示されている必要があります。「衝動買い」をもたらす「衝動」が続くのは短い時間です。コンテンツを見たユーザーが商品やサービスを手に入れるために取るべきアクションを、なるべくわかりやすく親切に盛り込むことが必要です。
まとめ
「TikTok売れ」の背後に潜む購買行動や広告手法の変化を改めて整理すると、下記にまとめられるかと思います。
・TikTokはその特性から「衝動買い」を呼び起こす
・「乾けない世代の顧客開拓」には「衝動買い」をかき立てることが必要
・「クリエイターとコンテンツを共創する」ことで新しい広告の姿を実現できる
もちろん相性の有無はあると思いますが、TikTokは今後広告主にとって非常に有効な媒体となることは間違いないでしょう。
今回はTikTokがビジネスシーンでどのようなムーブメントを見せているのかを解説してきましたが、次回は連載の最終回として、クリエイターエコノミーやWeb3.0と言ったコンセプトと絡めながら「TikTokの未来」を解説していきます。
