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クリエイティブが担う「行動を促すフック」としての役割
MarkeZine編集部(以下、MZ):これまで公開してきた「LINE広告活用術」の記事でも、「LINE広告の成果を出す鍵はクリエイティブにある」とお伝えしてきました。読者の方に向け、なぜクリエイティブが重要なのか、改めてご説明いただけますでしょうか。
相樂:それは、クリエイティブが運用型広告のPDCAに欠かせない要素だからです。LINE広告は運用型広告なので、クリックなどユーザーの反応を見て広告の改善をする必要があります。
また、クリエイティブはユーザーの「行動を促すフック」として重要な役割を担っています。配信効果を高めていくには、このフックとなるクリエイティブを磨いていくことが不可欠です。
コミュニケーションアプリである「LINE」は、家族や友人とのトークからLINE NEWS、LINE VOOMのコンテンツまで幅広い情報が流れています。ユーザーの指を止めるには、パッと目に入るクリエイティブを用いることが重要です。
MZ:なるほど。ではLINE広告に出稿する事業者は、クリエイティブの制作に関してどのような課題を抱えているのでしょうか。
相樂:まずはユーザーに響くクリエイティブのポイントがどんなものか、把握できていないという課題が挙げられます。
また、クリエイティブの効果を検証する以前の問題として、「どのフォーマットなら入稿できるのか」「画像のサイズは?」「どの面に配信されるのか」「どんな見え方になるのか」など媒体規定についてお悩みのケースもあるように思います。ですので、私たちが外部に広く公開するクリエイティブの資料も、配信イメージや配信面の特徴をしっかり伝えるようにしています。
成果を高めるクリエイティブの具体例
MZ:では実際に、ユーザーに響くクリエイティブのポイントについて教えてください。
相樂:まずおさえてほしいのが、LINE広告は同じクリエイティブフォーマットであっても、様々な面に出るという特徴です。たとえば1080×1080の正方形のクリエイティブはLINE NEWSの記事の合間に配信されたり、LINE VOOMに配信されたりします。
これを前提に、初めに静止画クリエイティブのポイントを紹介します。最も重要なのは、画像のなかに要素を詰め込みすぎないことです。商品の画像だけを使い、「初回限定で○○円」や「お得なキャンペーン」といった情報はタイトル(テキスト)で説明する。画像に要素を詰め込みすぎると、特にトークリストのような小さな表示では見づらくなるので、視認性を良くすることが重要です。
MZ:なるほど。視認性の確保という観点から、どのようなクリエイティブが効果的なのか具体例を紹介してください。
相樂:LINE広告の最新トレンドからいくつか紹介します。まず、不動産のクリエイティブを例に見てみましょう。下記のクリエイティブは、間取り図以外何の要素もありませんが、小さくても一目で「間取り図=不動産情報」だとイメージできます。
相樂:さらにクリエイティブの横に「横浜の新着新築一戸建て」というタイトルがあります。このように小さな配信面であっても、何の広告か一目でわかるようなクリエイティブで興味を引き、タイトルで情報を補足することで、ユーザーへの訴求力を強めることが可能です。
もう1つは人材採用の例で、シンプルに「月収◯◯万円」と表示している広告です。求人情報を探しているユーザーにとって気になるキーワードを用いることで目に入りやすくなり、ターゲットを絞った効果的な訴求が期待できます。
相樂:これを「自分ごと化」と呼んでいるのですが、このパターンはLINE広告とも親和性が高く、業種を問わず効果的です。人材業界以外の訴求の例としては、「東京都にお住まいの方必見」や「20代に今人気のゲームはこれ」のようなパターンですね。自分の属性に当てはまる情報はユーザーの興味関心を喚起しやすいので、ターゲットをあえて限定したタイトルで引きを作る方法はおすすめしています。
「UGC風」やお得感のある「クーポン風」も効果的
MZ:なるほど。自分ごと化を促す以外に効果的な訴求方法はありますか?
相樂:UGC(ユーザー生成コンテンツ)のようなクリエイティブもLINE広告では効果的です。たとえばエステサロンの場合、実際の施術の雰囲気をユーザーがイメージしやすいように、施術風景をスマートフォンで撮影したような画像が直近多く配信されています。
相樂:また、お得感やキャンペーンを効果的に伝えるために、クーポン券を模したクリエイティブを作るのも効果的です。クーポンの種類が複数あると、どれか1つに興味があるユーザーが指を止め、クリックする確率も高くなります。
動画クリエイティブで成果の高い「丁寧な文章」「UGC風」
MZ:では動画クリエイティブのトレンドと、どのようなTipsがあるのか教えてください。
相樂:動画の場合、再生が始まる前の静止画(0秒地点)の段階で「何のサービスなのか」「誰をターゲットにしているのか」を明確に伝えることが重要です。何の動画かわからなければ、ユーザーは広告に目を止めません。
1つ目のトレンドは、ターゲットを静止画(0秒地点)で限定しつつ、動画内で丁寧な文章を用いたアプローチです。動画は静止画と異なり、動画内で丁寧な説明をすることができます。下記は配信効果が高い化粧品商材のクリエイティブの傾向です。
相樂:単にテキストを流すだけでなく、特別価格の箇所だけアンダーラインを引いたり、文字の色を変えたり、伝えたいところをしっかり伝える工夫もあり、コンバージョンが多く得られました。同様の見せ方を学習塾や通信教育の商材でも実施した際に、高い効果が得られた例がありました。
相樂:2つ目のトレンドは、静止画と同じくUGC風の訴求です。たとえば、YouTubeの動画のように「◯◯エステに行ってみた!」という実際に施術を受けるシーン、店内をぐるっと撮影したシーンなど、サービスの一連の流れを見せる動画クリエイティブが増えています。
配信効果の高いクリエイティブは、テンポが良く、展開が早いものが多いですね。ユーザーを飽きさせないという点でも、来店から施術までの流れを早送りで見せるなど、テンポの良さ、速さは重要です。
相樂:UGC風の動画でいうと、コスメなどテクスチャーを伝えるタイプの表現と動画は相性が良いですね。UGC風のクリエイティブは、静止画・動画問わず、SNSで馴染みの表現なので、共感を得やすいのが特徴です。
運用面では「検証スピード」「フォーマットの網羅」が成功の鍵に
MZ:クリエイティブにもいろいろなTipsがあるんですね。クリエイティブの制作・運用体制の観点から成果を出すにはどのようなコツがありますか?
相樂:成果が出ている企業にはいくつか共通点があります。クリエイティブの観点でいえば、クリエイティブのブラッシュアップなどPDCAを回すスピードがとても早いことが特徴です。
また、クリエイティブフォーマット(正方形や長方形、画像(小)など)を網羅している点も共通しています。フォーマットに対応する配信面が異なるので、接触できるユーザーもそれだけ広がります。トークリストしか見ないユーザー、動画しか見ないユーザーなど、それぞれに対してアプローチできるので、クリエイティブフォーマットをできるだけ網羅することも重要だと考えています。
相樂:最後に、私たちが発信しているTipsを取り入れているという点も挙げられます。たとえばUGC風の動画が流行っていると聞いて、すぐ取り入れてコンバージョン数を増やしたという企業も多いので、トレンドやTipsをどんどん取り入れてほしいと思います。
LINE広告クリエイティブのトレンドがわかる「LINE Creative Lab」
MZ:LINE広告のクリエイティブに悩む企業に対し、どのようなサポートを行なっているのでしょうか。
相樂:私が所属するクリエイティブプランニング室では、クリエイティブの提案や代理店のサポートのほか、広告アカウントの継続的な支援を行っています。またウェビナーも実施して、定期的にトレンドやTipsなどのお役立ち情報を公開しています。
Tipsに関しては「LINE Creative Lab」というWebサイトでも紹介しているので、クリエイティブについてお困りの方はぜひご覧ください。
MZ:LINE Creative LabとはどのようなWebサイトですか?
相樂:クリエイティブ制作のコツやアップデート情報など、クリエイティブに関するヒントを載せています。たとえば「タイトルは2種類以上用意しましょう」といった、LINE広告における推奨情報も集まっているので、何かわからないことがあったらこのWebサイトを確認すると良いと思います。
また同サイトでは実際に使えるクリエイティブのテンプレートも用意しているので、Webブラウザ上で広告クリエイティブを簡単に作ることができます。
MZ:これは便利ですね。最後にLINE広告のクリエイティブ制作に悩んでいる方、ヒントを知りたい方にアドバイスをお願いします。
相樂:今回紹介したクリエイティブのTipsは、配信効果を伸ばすうえでの第一歩であり、近道になると思います。LINE広告の管理画面上でも様々な運用資料を公開しているので、まずは「LINE Creative Lab」のコンテンツと合わせて参考にしてみてください。
※本記事で紹介しているクリエイティブは、実際のクリエイティブを参考に、傾向を一般化した内容となります。
※紹介している内容は配信効果及び審査通過を保証する内容ではございませんのでご注意ください。