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これからのBtoBマーケティングを考える

メルマガは何のため?担当者が陥りやすい落とし穴

読者も書く側に回ると「嫌われるメルマガ」を作成してしまう謎

 メルマガの企画や執筆には、1つだけ覚えていていただきたいことがあります。それは、メルマガ読者のメリットを考えることです。

 みなさんも興味のあるメルマガに登録したことがあるでしょう。そして、自然と好きなメルマガと嫌いなメルマガに分かれていったと思います。そのメルマガを好きだと感じる理由を考えてみました。

 みなさんもそれぞれに、好きなメルマガの良さを説明できるのではないでしょうか。しかし、企業のメルマガ担当者になると、何故か好きなメルマガとは違うメルマガを企画・配信してしまうことが多いのです。読み手だったらこんなメルマガは嫌だ。というメルマガをわざわざ作りがちです。これがテクニックと称されることもあるから驚いてしまいます。

 さて、今度はメルマガが「嫌い」な理由をまとめましょう。

 身に覚えありませんか? 少しでも思い当たるふしがあれば、メルマガの内容を見直すことをお勧めします。

 メルマガはマーケティングの手法であるからこそ、成果として営業成績に貢献したい、という焦りから、読者のメリットを忘れて売り気味なメルマガの企画や内容を押し進めてしまいがちです。

 メルマガの読者とメルマガ発行元の関係についての理解を深めることにしましょう。メルマガはマーケティング施策であり、メルマガをお届けすることは将来の理想の顧客につなげる、もしくは、つながるための活動にあたります。

 メルマガ読者を将来の理想の顧客に育てるパスは2つあります。上の図に示した、「まず売り込み買っていただく」という上側のパスと、「ファンになっていただき、その後買ってもらう」という下側のパスです。

 ファンになっていないお客さまに振り向いていただくためには、必要以上のサービスを提供するか、接待などでGNP(義理・人情・プレゼント)をフル活用した活動が必要であり、とても大変です。これが上側のパスです。

 一方で下側のパスは、買っていただく前にファンになっていただく施策です。メルマガ読者にファンになっていただくためには、読者が好む企画や内容をメルマガで届けるしかありません。だからこそメルマガは、読者が楽しめて、「売る」よりも「教える」気持ちで情報をお届けするべきです。将来の理想の顧客を増やすために、メルマガでは読者のファンの度合いを押し上げることが重要です。

 メルマガでは情報は出し惜しみなくお届けしましょう。インターネット全盛の今の時代、もはやあなただけが知っている未公開の秘密のノウハウなんてほとんどありません。メルマガで「教える」と決めたら教えることに徹します。この姿勢があなたのメルマガのファンを増やすことにつながるはずです。

あなたのメルマガ、固くないですか?

 個人的にBtoBマーケティングのメルマガは、公式文章のように堅苦しいものが多いと感じています。おそらく社内でメルマガの内容の承認を得てから、配信設定をしているケースも多いでしょう。

 不適切な表現や誤った情報の拡散リスクを軽減することが理由なのかもしれません。リスクヘッジは重要ですが、過度な制限については疑問を感じます。

 メルマガを非対面の営業ツールとして活用するなら、対面営業のルールに従えば良いはずです。対面営業時にお客さまとお話しする内容の一字一句を上司に承認を取ることはおそらくないでしょう。

 たとえば多くのメルマガは、文頭からいきなり本題に突入します。しかし、対面営業でお客さまと打ち合わせする場合、いきなり本題に入ることは滅多にありません。まずは、天気や自己開示などのアイスブレークをしてから本題に入りませんか? なのに、メルマガはいきなり本題からのスタートです。

 実は、メルマガは導入部があって、それに続く自己開示部分にて筆者の人間臭さ(人間らしさ)を出すと親近感が出ることが知られています。下の例のような流れでメルマガの構成を作ると良いでしょう。

 メルマガは文章ゆえに書き手の人柄を感じにくいもの。だからこそ、人間臭さを少しだけ強めに出してあげましょう。ただし、自己開示の部分ではネガティブな表現や、宗教やスポーツなどのある人にとっては良い話だがある人においては不快、などという話題は避けることがメルマガの自己開示の鉄則です。

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【事例】人間らしさを出して10通の返信から商談へ

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この記事の著者

佐宗 大介(サソウ ダイスケ)

カイロスマーケティング株式会社 代表取締役
創業前の2011年からMAツールの開発を始め、2012年の同社創業と同時にMAツール「Kairos3」をリリース。同製品は広告宣伝費を抑えながら1,600社の導入実績を持つ。同社創業前は、シリコンバレーのIT事業会社にてPdMを8年ほど経験。それ以前は、アクセンチュアにて戦...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/03/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38403

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