「考える」を考える1冊

この本では、過去の偉大な哲学者やその思想を紹介するのではなく、体験する哲学、すなわち「問い、考え、語り、聞く」という対話を通して哲学的思考を体験する試みとしての「哲学対話」が紹介されています。
学生時代にはあらゆる場面で問題が設定され、その問題を解くことが「考える」ことになることも多かったと思います。そして、日常の業務においても担当範囲が細分化され、細かい数字目標が与えられ、その目標をどう達成するかを考えることを「考える」と思っている方も多いのではないでしょうか。
その点、同書には「考えるとは問う」ことであり、「何を考えればいいかを考える」ことが大事だと書いてあります。日常の業務でも、与えられた目標の先にある、事業やサービスの目的のために何ができるかを問うべきだと気づかされました。また、同書では、いろいろな人が集まり、前提を問い、自明なことを改めて考える対話の場についても紹介されています。プレイドでも職種や担当領域に関係なく集まり、議題を事前に定めずその場で話したいことを挙げて話す会を過去何度も実施していたのですが、まさにこの「哲学対話」に近いものでした。皆さんもぜひ同じ部署の仲間だけではなく、普段話さない同僚も巻き込み、対話をしてみてください。新たな発見があると思います。

株式会社プレイド Communication Director 川久保岳彦氏
P&G流ブランドマネジメントの基本形が学べる1冊

いわゆるP&Gにおけるブランドマネジメントは、この本が基本形になっています。体系的にマーケティングの全体像を理解したいと思えば、この本を1冊読破すれば十分でしょう。難点は、文量がかなりすごいこと、事例が古いこと、実務経験が無い方が読むには専門的な内容多いことで、読破するのは難しいかなと思います。
仮に実務経験がなくてマーケティングの1丁目1番地が知りたいということであれば、森岡さんの『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(KADOKAWA)は、読みやすいですし、事例もなじみがあるものになっています。まずは無料で勉強したい、ということであれば、手前味噌になりますが私の書いたnote「【1時間で分かる】P&G流マーケティングの教科書」を読んで下さい。駆け出しだった自分をペルソナにして作っていますので、内容も平易で読みやすいし、体系的に書いているつもりです。

Marketing Demo株式会社 代表取締役 石井賢介氏