再現性のある「発想・検証・実装」の方法論を学べる1冊

暦本純一さんの『妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方』を推薦させていただきます。マーケターを取り巻く環境は、複雑さとスピードが増す一方です。大上段の戦略構築~各メディアに最適化した施策立案まで、考えなければいけない課題は膨大になってしまっています。そういった環境下で、「とんでもないアイデア」こそがあらゆる課題をきれいに解決してくれるシーンに稀に出逢います。
「とんでもないアイデア」は自分でもどうやって発想したかわからないラッキーパンチ的であることが多いのですが、この本は再現性のある形で発想・検証・実装するための方法論に触れてくれています。特に私がよく実践しているのが、「アイデアは1行クレームにせよ」という検証のフレームワークです。アイデアを1行にまとめるのも難しいのですが、1行にアウトプットするとアイデアと自分を切り離せるので、冷静に価値判断が可能です。マーケティングの専門書ではなく、技・事業にまで応用が効く発想法なので、そういった点でもレバレッジが効く一冊だと思います。

株式会社YOU TRUST SNS事業部 事業責任者 兼 CMO 大前宏輔氏
考え迷った時に開きたくなる1冊

音部大輔さんの『The Art of Marketing マーケティングの技法』をおすすめします。同書には、マーケティング活動において最初に考えるべきことである、「誰にどんな価値を届け、市場を構築または再定義するか?」という問いを解決するためのマーケティング基礎知識、実用的なリソースとテンプレートが揃っています。
具体的には、ブランドマネジメントを行う上での考え方のベース・フレームワーク・実行方法が、音部さんご自身の実話とともに鮮やかに描かれています。その内容は今すぐ実行可能で、かつ、実行する上でつまずきそうなところもQ&Aなどでフォローされています。要所要所で音部さんのお人柄と温かさ、魂でマーケティングをされていることを感じられるところも好きなポイントです。事業会社サイドの方はもちろんですが、パートナー会社の方も、同書を読むことで顧客理解とステイクホルダー理解が深まり、ヒアリングやアウトプットが変わると感じています。
少し難しいと感じるかもしれませんが、何度も立ち返って読むことができる心の拠り所になってくれる本です。若手の皆さんは、まずは最後のコラムから読み始めて、自分の基礎知識の目線合わせを行うと、より理解が深まると思います。ぜひコラムから読んでみてください。

株式会社良品計画 EC・デジタルサービス部 篠原佳名子氏