役職者以上に効果的に訴求!休眠顧客へのアプローチ
デジタルマーケティングを強化したいと考える企業の多くが「何から始めればよいかわからない」ではなく、「選択肢が多すぎて選べない」と悩んでいる。
「まず必要となってくるのが、Webとメールを出し分けることです」とシャノンのマーケティング部である藤井里名氏は主張。続けて「顧客の段階を『休眠顧客』『新規顧客』『既存顧客』の3つに分け、それぞれに合ったステップを踏むことが大事」だと語った。この3つの顧客段階のアプローチについて、例を交えつつ説明した。
多くの企業は複数事業部がある中で、ある事業部から「パイプラインが足りないから、マーケティング部と企画を出したい」と相談されることも多いだろう。ここで重要なポイントは、「急いで増やしたい」「商談まで早く進む人から優先的にアプローチをする必要がある」点だ。こういったシーンでは休眠顧客へのアプローチが効果的だ。
「BtoBの企業の場合、担当者が情報収集し、社内で検討して上司に報告、稟議を通すといった、購入に至るまでのフローにおいて関係者が多くなるという特徴があります。気をつけたいことは、役職者以上の人に対して効果的にアプローチすることです」(藤井氏)
具体的には休眠リストを役職者とそれ以外に分け、役職者以上にDMの配信をしていく。DMはそもそも郵送費・印刷費がかかるため、メールほど手軽に使えないが、役職者以上に効果的に訴求したい場合には有効な手段だ。
「DMを組み合わせる大きなメリットは、一度DMを送ってからメールを送ることでメールからのアクセス率がアップする、という点です」と藤井氏。
コロナ禍で対面での営業が難しくなったこともあり、DM使用は増加傾向にある。事実、電通が2022年2月に発表した「日本の広告費」ではDMを使っている企業は広告費が増えていると報告されている。またインターネット広告だけはアクセスしにくい無宛名便(マーケティング担当者宛)も増加傾向だという。
DM×Web×メールで商談につなげる方法とは?
続いて藤井氏は、DMを交えて実際に施策を行う際のポイントを解説した。役職者以上の方のリアクションが生まれるよう、DMの封筒などに「マネージャー必見」といった役職者がより興味を引くようにアレンジ。内容も「マネージャーの方限定の案内」など特別感を出し、続きはWebにと促していく。Web来訪時には「DMをお送りしました」などポップアップを出し、パーソナライズをかけていくことが重要だ。その後、営業からコンバージョンした人・Webに来た人・メールが届いた人の順番にフォローし、商談につなげていく仕組みだ。
「役職者以上とそれ以外の分岐をどのように実現するのか? 疑問に思うかもしれませんが、MA(マーケティングオートメーション)の『役職付与・職種付与』の機能を使うことで、自動でデータを強化できます。職種の場合、プロダクトマーケティング・マーケティング企画部・営業推進部・営業企画部などいろいろな部署がありますが、こちらもMAで自動振り分けが可能です」(藤井氏)
また、MAにはシナリオ機能もあり、DMやメールも自動で配信されるように設定できる。どの担当者に何のポップアップを出すかなど、出し分けもMAで自動化が可能だ。
まとめると、以下3点のアプローチにより効果的に役職者以上へのアプローチが実現可能となる。
・MAにデータを登録→役職情報は自動でグループ化
・DM、メールに連携するシナリオを作成する→役職者以上にDMとメールを自動配信
・ポップアップを出し分けるタグを埋める→Web来訪時、特定の人に特別オファーを表示