SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

サポーターのjigenさんと話したら、スポーツ業界×SNSマーケの未来が見えてきた件

スポーツ×SNSで大事になるのは、試合日以外の情報

平地:では、スポーツチームのSNS活用についてはどうでしょうか。

jigen:これも最初の話に戻りますが、SNSで発信するコンテンツの盛り上がりも、勝敗結果によって左右される部分が大きいと思います。UGCの量を見ても、勝ったときと負けたときでは、明らかな差があります。

 しかし、スポーツチームのSNS活用において重要なのは、試合のない日にどれだけ有効なコンテンツが発信できるかだと思っています。

 たとえば、欧州のプロサッカークラブでは、あらゆるマーケティングに取り組んでいて、試合日の集客に関してはほぼやりつくしています。そのため、ノンマッチデーにスタジアム周辺に来るきっかけを作るクラブが増えています。

 ノンマッチデーにスタジアム周辺に来るきっかけを作ることで、集客のベースを作ることに成功しているのです。

平地:確かに、試合日以外もコンテンツを発信することで、365日生活者との接点が作れますからね。

jigen:試合日以外も来場しやすいスタジアムも国内外で増えてきていますよね。たとえば、スイスのプロサッカークラブ・FCバーゼルの本拠地には高齢者施設が併設されています。祖父母に会いに来た家族が、一緒にサッカーの試合を見るなど、試合以外の動機付けでもチームとの接点が作れているわけです。

 これは極端な例ですが、日本でもJリーグの清水エスパルスがJR清水駅前に新スタジアム建設を検討していますし、プロ野球の横浜DeNAベイスターズも横浜スポーツタウン構想でスタジアム周辺を活性化しようとしています、バーゼルのように一歩進んだアイデアがあると良いですね。

平地:Bリーグも千葉ジェッツのスタジアムが船橋市にあるららぽーとTOKYO-BAYのすぐそばにできるので、商業施設に出かけるついでに観戦したりもできるようになりますしね。試合を観るためだけに来るのではなく、その他の目的でも来てもらえる場所にしていくことが重要ですね。

Jリーグ公式試合のSNS解禁がもたらすもの

平地:スポーツ×SNSでいうと、Jリーグが公式試合の写真・動画をSNSで投稿することをついに解禁しましたね。これについて、jigenさんはどう思いますか。

jigen:スポーツ×SNSに関わってくるステークホルダーは大きく以下の5つです。1から順に取り組みやすいんですが、今回のSNS解禁はそれを大きく揺るがすと思います。

5つのステークホルダー

1.Jリーグ公式アカウント/DAZN/各種メディア

2.クラブ公式アカウント、クラブのサブアカウント(社長やマスコットなど)

3.選手

4.スポンサー・自治体

5.ファン・サポーター

 これまで、試合中の動画や写真の撮影はNGだったので、UGCの数には限りがありました。しかし、もし来場者のうち1,000人が試合中の写真・動画をSNSに投稿して、その人たちの平均フォロワー数が100人だとしたら、約10万人に毎試合リーチできるようになるんです。

平地:来場者のUGCをどう活かすかが重要になってきますね。

jigen:しかも、観戦者のフォロワーにはサッカーに興味がない人なども含まれるわけで、非常に大きな集客の接点になると思います。

 ただ、クラブの公式アカウントがUGCをリツイートすると、ファン・サポーターの中には「不平等に扱われている」と感じてしまう人も出てくるので、個人的にはファン・サポーター以外のステークホルダーとの取り組みを、確実にやっていくことが重要だと思います。

次のページ
スポーツチームが各ステークホルダーとSNS活用ですべきこと

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/05/16 08:30 https://markezine.jp/article/detail/38925

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング