第二創業の中で入社した3人を取材
MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめにみなさんの自己紹介からお願いします。
山内:私は2021年4月に良品計画に入社し、同年の9月からEC・デジタルサービス部の部長を務めています。前社でも同様に小売の領域でデジタルの推進に従事していました。
西原:山内と同じ部署でデジタルサービス課の課長を務めています。私のチームは、デジタルを活用した新規サービスの開発、また既存の店舗サービスにおけるデジタル活用の推進を主な役割としています。実は、山内とは中途入社同期で、入社月まで同じなんです。無印良品が好きで、かつ「より便利で使いやすい、新しい顧客体験を」という同じ志を持って入社しており、これをデジタルで形にしていけたらと考えています。
山内:現在、良品計画は第二創業を掲げていることもあり、新しい社員がたくさん入ってきています。以前から無印良品を支えてきたメンバーと、新しく入ってきたメンバーが融合していくことを目指し、日々チームで動いています。
篠原:私も同じくEC・デジタルサービス部の中にある企画課に所属しています。企画課は、EC、デジタルサービス、OMOなどあらゆる領域で、デジタルを活用した施策の企画を行うチームです。中でも私は、サービスデザインやユーザーコミュニケーション設計、UI/UX改善に取り組んでいます。良品計画には2022年1月に入社し、その前はグローバルSNS企業や大手飲食企業でマーケティングに従事していました。
MZ:みなさんが所属されているEC・デジタルサービス部が、いわゆる「デジタルマーケティング」を担う部署になるのでしょうか?
山内:本当に名前の通りなのですが、ECの売上を上げていくこととデジタルサービスの開発・強化が我々の役割です。また、無印良品のアプリ「MUJI passport」の国内外への展開も主導しています。
良品計画には「マーケティング」という部署が存在しません。マーケティングという言葉は使わないにしても、たとえば「お客さまを知る」ことは、全ての部署でそれぞれが行うべきことですよね。その意味でも、全社の中で代表してマーケティングを行う部署はないのです。
篠原:マーケティングは、基本的に顧客と市場の理解につきると思います。お客さまと本気で向き合い、市場の大きさや動向を調査して科学する。これは、マーケティングの部署がなくとも当たり前に行っていることです。どの部門もお客さま視点で物事を考えているので、すごく良い組織だなと感じています。
2030年に向けて目指すは「感じの良いオンライン」の提供
MZ:良品計画は、2021年7月に2024年までの中期経営計画を発表。その中で「第二創業」を掲げられています。この第二創業におけるEC・デジタルサービス部の基本方針をお聞かせください
山内:第二創業には2つの大きなミッションがあります。1つは、創業以来ずっと提供している基本商品群やサービス群にさらに磨きをかけていくこと。適正な価格で、誰にとっても使いやすい商品・サービスを提供することが大きな目標です。もう1つは、国内外問わず、無印良品の店舗を地域のコミュニティセンターのような存在にしていくこと。出店スピードも加速させており、それぞれの店舗とお客さまのつながりを強くしていくために、様々な取り組みを行っています。
この第二創業の中で、我々がデジタルの領域で目指しているのが「感じの良いオンライン」の提供です。現在約10%であるEC売上を2030年までに30%まで伸ばすという数字の目標も掲げていますが、我々はデジタルだけでサービスの開発や改善を考えるようなことはありません。人の温もりや店舗の良さなど、「オフラインの温かみを融合させたデジタルサービスの提供」を重要視しています。