どんな顧客企業が活用しているのか?
基調講演ではさまざまな顧客が登場したが、その1人がHard Rock Digitalでプロダクトアナリティクス担当シニアバイスプレジデントを務めるMitch Mitchell氏だ。Hard Rock Digitalはオンラインのスポーツギャンブルやゲームを展開する事業で、Amplitudeを導入してトレンドを自動追跡し、顧客の行動からうまく機能していないところを早期に検出して修正していると話す。中でも、同じような特性を持つグループを分類する「Cohort(コホート)」を作成して顧客理解を深めているという。ポイントは、関与するメンバーすべてが自分の担当範囲でAmplitudeを使ってデータに基づいた体験の改善をする文化を定着させていること。「イノベーションをわざわざ押し進める必要はない」と述べる。
Mitchell氏はHard Rock Digitalが目指すことを、「データサイエンスから自動化された意思決定までパイプをつなげることで、パーソナライズなどを実現し、顧客の体験を改善する」と説明した。
Hard Rock Digitalのように、物理で成功した企業がデジタル分野を強化していく際、プロダクトアナリティクスは必須になりつつあるようだ。
成長戦略の中心は営業・マーケからプロダクトへ
続いて、老舗ベンチャーキャピタルで、古くはAppleやGoogle、最近ではInstagramやAirbnbと、数多くのベンチャーを支援してきた名門Sequoia Capitalのパートナー、Pat Grady氏は、企業が成長のために投資する分野が変化していると話す。これまではセールスやマーケティングに投資することが重要とされてきたが、「プロダクトこそ、長期的に差別化につながる」とGrady氏。Sequoiaが出資をするベンチャー企業にはAmplitudeを使うようにアドバイスしている、と明かす。「なぜなら、プロダクトのどこに投資すべきか、その投資が財務的な目標と比較してどうなのかを理解できる最善の方法だからだ」と続けた。
Skates氏は、この40年に新たに5億のプロダクトが構築されたが、今後3年で5億が構築されるという予想を紹介する。デジタルにプロダクトが溢れる時代、優れた体験の提供はさらに重要になるとみる。
