同じ施策でも国ごとに異なる結果
MZ:導入の際にはグローバルでの展開も視野に入れていたとのことですが、グローバルでのEloqua役割や活用法をお聞かせください。
二塚:Eloquaは多言語対応していて、インストラクションも充実していますので、海外の方でも問題なく使えています。
手法としては、海外もまず基本的にはメール配信やランディングページ(以下、LP)でコンテンツをダウンロードしていただくことから始めました。海外では、外部のメディアプラットフォームが非常に活発で、研究者の方だけが集まる専門の媒体も多数あります。そちらとコラボレーションしてコンテンツを作り、ダウンロードする際にEloquaのLPに誘導し、Eloquaにデータが残った方にメールでアプローチをしていました。ただ、海外ではこの方法は結果が芳しくありませんでした。
海外の難しい点は、国ごとにまったく事情が異なることです。例えば香港とオーストラリアではうまくいくことが、インドとシンガポールではうまくいかないなど。また、獲得したリードがかなり高い確率で受注につながる国もあれば、非常に多くのリードを獲得しても、まったく受注につながらない国もあります。
最終需要に対して複数の商社やサプライヤーさんが入っている場合もあるので、問い合わせ数の増加と最終的に受注できる案件が比例しないことも多々あり、活動量の割に成果に結びつきにくいこともあります。
国の商習慣や商流を知ることで腑に落ちることもありますが、購買プロセスや選択のタイミングなど、理解できていないこともあります。現在、海外においても調査やユーザーインタビューを実施しており、結果に基づいてEloquaの活用法を考えていくところです。
他社事例はあくまで参考、自社での試行錯誤が財産に
MZ:まさに様々な施策をお試しの最中かとは思いますが、今後の展開はどのようにお考えですか?
二塚:国内では現在進行形で他システムの情報や、外部データをEloquaに移入させています。営業にとって有効になるリードや情報を送り、連携を深めていきたいですね。
中長期的には、収集できるデータをもう少し増やしていきたいです。現在はCRM側の限定された情報だけですが、活用できるデータも広げていきたいですし、そのためにはEloquaとCRMとの連携もさらに進めたいです。
海外では、見積依頼から受注までの6ヵ月間に受注率を高めるためのナーチャリングのオートキャンペーンのプログラムを組んで、日本側と販売会社とで定期的にフォローしていきます。キャンペーン側の課題を見つけていきたいですね。また、中長期的には、ユーザーインタビューを実施している国に対して、各国に合わせた1to1コミュニケーションをきちんと実施できるEloquaの活用方法を模索したいですね。販売会社の事業の支援にもつなげていければと思います。
MZ:御社や二塚さんがスピード感を持って事業を推進していけるポイントや秘訣はどんなところでしょうか。
二塚:私はあくまで実施した施策に対しての成果を確認し、課題を改善していくことを繰り返してきました。その中に答えを求めることしかしてきていません。私は元々マーケターではなく、入社してからは海外営業、販売、海外販売企画などを担当していました。Webマーケティングの経験もなかったので、セミナーや他社事例などをよく参照していました。しかし、実際のところ当社にそのまま適用できないとわかりました。
MZ:堅実に結果を積み重ねていらっしゃるのですね。社内での評価やEloquaに対する認識はどのように変わっていきましたか。
二塚:当初は「問い合わせ数が何%増えました」「売上がどれだけ伸びました」といった定量的な成果が得られるのだと思って導入しました。実際、当社内の期待値もそうでした。しかし、それだけでは自社のKPIにどうしても合わないケースがあります。そのような時に、中長期的にどうデジタルを活用し、施策に反映すれば社内で納得感を得られるか・お客様との接点も広がるのかと考えるようになりました。
MZ:宮成さんとしては今後、Eloquaに限らずオラクルとして、PHCさんにどのような価値提供ができるとお考えですか。
宮成:二塚さんのお話には非常にヒントがありました。まずEloquaだけに関して言いますと、海外展開に特化した活用支援ミーティングを実施させていただこうと思います。他社事例なども示しながら実施したいですね。また今後のステップとしては、データ活用ですね。様々な接点における顧客データの収集と活用はオラクル最大の強みです。それらを結合していかにビジネスに活用するかは、非常に得意としている領域なので、Eloquaと合わせてその領域のご支援させていただきたいですね。
MZ:これからの展開も楽しみですね。本日はありがとうございました。