社内データを統合し、顧客のタイミングを把握
二塚:正確なプロファイルとセグメント作成には、社内のあらゆるデータの整備が必要です。そこで社内のリソースも考慮しながら、どのセグメントに対してアプローチをすると効率的か、社内のお客様情報を基幹システムと統合して、Eloquaに取り入れることにしました。過去に購買履歴のあるお客様、お問い合わせされたお客様、名刺交換されたお客様などの仔細なデータが揃うことで、より正確なプロファイリングができるようになりました。今はお客様が必要なタイミングでコミュニケーションがとれる、インバウンド的な取り組みを重視しています。
MZ:インバウンドで顧客が来るタイミングを把握するための具体的なお取り組みはどのようなものでしょうか?
二塚:お客様の買い替え検討時期をまず把握します。その情報は基幹システムや、有益なコンテンツを提供した際に実施したアンケートなどから取得します。
基幹システムであれば、例えば購買サイクル的に前回購入時からどれぐらい経っているのか、代替的に提案できる商品がないかなどを検討します。そこにアンケートなどで調査した買い替え時期のタイミングや、オンラインでのアクティビティなどを合わせて、有効にコミュニケーションできそうな時を選び、オフラインで営業からアプローチをするようにしています。
Eloquaで見えないものが見えてきた
MZ:活用方法を転換してから、現状はいかがですか?
二塚:試行錯誤の期間が長かったので、有効リード数の測定を今まさに始めているところです。商談サイクルは約3ヵ月なので、受注か否かの結果は現時点では出ていません。Eloquaを導入しCRMとシステム統合を実施してから、リードからの売上が測れるようになりました。導入当時は、そもそもリードがどれだけ売上につながったのか把握できない状態でしたので、初年度の定量的な成果はそこまで大きいものではありません。
しかし、これまで計測できていなかったものが把握できるようになりました。この後は、いかに伸長させるかですね。見積依頼を待つだけでなく、前述のようにお客様の兆しをいち早く察知し、営業から商談を取ってもらいやすくしています。
おかげさまで営業部門との連携は非常に深まり、反応のある方に営業部門から積極的にコールしてもらって商談に進んでいる商品もあります。ただ、取り扱う商材が幅広いので、営業からの1to1のアプローチが適切な商材もあれば、営業が個別アプローチをとりきれないセグメントの商材もあります。まずは1to1が可能な商材から取り組みを進めています。
宮成:私から見てPHC様の活用で非常に特長的だと感じる点は、自社に合わせたツール活用がしっかりとできていることです。実は、MAが単純なメール配信ツールで終わってしまうというお声は多いです。PHC様はPDCAを回す中で、セオリーとは異なる活用方法を見つけられています。
MZ:メール配信での結果からカスタマージャーニーの引き直しに目を移せるか否かは、今後のMA活用の明暗を分けるポイントですよね。ジャーニーの引き直しにEloquaは活躍しましたか?
二塚:カスタマージャーニーを引き直す際、各セグメントで複数人のお客様にインタビューしました。Eloquaの選定基準でもあるのですが、細かくデータにラベリングでき、把握できる点が我々には適しています。インタビューの結果、きちんと個々のデータを管理して適切なコミュニケーションがとれるようになりました。対象セグメントによりアプローチを変えられるようになったのは、Eloquaの特性が活かせたと思います。