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マーケターが知っておきたいBtoB企業広報の基礎知識

スタートアップの成功例から学ぶ、広報部の立ち上げ方【広報・マーケの連携法、外部支援の選び方も解説】

はじめて広報部を立ち上げるときの適切な体制は?

 ここからはある程度会社規模が大きくなり、広報部門を立ち上げることになった際に、どんな体制を整えれば良いのかについてご紹介します。広報部を立ち上げる際に代表的な体制としては、以下の3通りが見られます。

広報部を立ち上げる際、代表的な3つの体制
広報部を立ち上げる際、代表的な3つの体制

 かつて、大企業の広報部などはコーポレートブランディングや危機管理を主な業務としていて、経営企画や管理部門と距離が近い組織でした。しかし、先ほどもお話しした通り、今では広報はマーケティングとの親和性が高い領域となっているため、広報活動のスタート初期は「マーケティング担当+外部支援」の体制がよく見られます。

 特にスタートアップや中小企業におけるマーケティング活動は、Webマーケティングが中心です。オウンドメディアやSNS運用など両部門が協力したほうが効率良く成果を出しやすい業務も多いため、この体制は理にかなっていると言えるでしょう。

 また、このパターンが多いのは広報人材の採用難も関係しています。社内に知見がない会社ほど経験が豊富な広報人材を採用する必要があります。しかし、現状では広報経験者の数自体が少なく、採用難易度がかなり高めです。そのため、マーケティング部が主管となってPR会社やフリーランスに業務を委託しながら、広報活動を行うのです。

未経験の一人広報でも広報活動はできるのか?

 もう少し広報活動に積極的な会社は、専任の担当者を採用して「広報担当のみ」「広報担当+外部支援」の体制を整えます。

 広報活動の成果を最大化させていくためには、やはり専任の担当者がいることが重要です。ただし、広報部の立ち上げ初期の段階では、広報担当者と言っても広報業務だけに専念させられる会社は少なく、マーケティングや採用業務などを兼務するケースが多いようです。

 この場合に起こりがちなのが、兼任している側の業務の負荷が大きくなり、広報活動に使える時間がどんどん減っていく現象です。広報はわかりやすい成果がすぐに出る種類の活動ではありません。そのためマーケティングや採用など、ついつい成果が見えやすい業務に時間を奪われてしまうのです。

 せっかく広報担当を置いてもこうなると意味がありません。このことを防ぐためにも、前回の記事 で紹介した「トップによる広報活動へのコミットメント」が重要になるのです。

 また、広報部立ち上げ期には、まだ会社や商品の知名度が低いことが普通です。そうした会社の広報活動はむしろ“難易度が高い”状態で、未経験者一人で「広報担当のみ」の体制にすることは危険です。十分に経験を積んだ担当者を採用するか、「広報担当+外部支援」のようにパートナー企業に業務を手伝ってもらったり、担当者を育成してもらったりするといった工夫が必要となります。

 ここまで、広報部門を立ち上げる際の3つの体制を紹介しました。どの体制を選ぶにせよ、外部の力も借りながら知見とノウハウを溜めつつ、マーケティング担当と広報担当が連携して各活動の成果の最大化を狙っていくことが望ましいと言えます。

次のページ
広報活動の外部支援サービスにはどんな種類があるのか?

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この記事の著者

松田 純子(マツダ ジュンコ)

リープフロッグ合同会社 CEO
 国内外のスタートアップ、中小企業など向けに広報部門立ち上げ支援コンサルティングを行う。伴走型、人材育成型で新人、独り広報の会社でも効率よく広報部門を立ち上げ、企業成長に資する広報活動が行えるよう支援。早稲田大学卒業後、大手求人広告でのコピーライターを経て、IT系メガベンチャー、博報堂系デジタル広告会社で広報業務に従事。経営戦略室マネジャーを経て2019年に起業。現在は、B2B領域を専門にスタートアップから東証一部上場企業まで幅広くクライアントを支援しながら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39180

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