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約65%が多様性を感じられる広告モデルの起用に好感/購買意思とはギャップも【@cosme調査】

 アイスタイルは、自社が運営する@cosmeのプロデュースメンバーである、15~59歳女性 9,513名を対象に、「化粧品の広告モデル」に関するアンケート調査を実施した。

 昨今、化粧品の広告に、性別や国籍、職業や知名度を問わず様々な人が起用される機会が増えている。その背景には男性化粧品ユーザーの増加や、「人や国の不平等をなくそう」といったSDGsに取り組む企業が増えていることがあると考えられる。

 同調査は、生活者がそうした広告モデルから企業の「多様性を尊重する」というメッセージを受け取っているか、どう理解しているかを探ったものとなる。調査結果の概要は以下の通り。

多様性の尊重を感じさせる広告とは

1.「様々な人種・国籍」の人、「様々な顔立ち」の人の起用

 化粧品広告にどういった人たちが起用されていると「多様性が尊重されている」と感じるのかを複数回答で聴取した。なお、選択肢は事前に実施した予備調査から決定している。

 その結果、 「様々な人種・国籍の人」と、「様々な顔立ち(まぶたの形や顔の大きさ、にきびやそばかすがあるなど)の人」と言う回答がそれぞれ6割台と高く、次いで「標準体型でない人」、「男性」、「LGBTQ(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・クエスチョニングの総称)」と言う回答が5割台で続いた。

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2.多様性に対する感度は若年層ほど高い

 次に、年代別の受け止め方の違いを見てみると、大別して2つのことが分かった。

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●若年層でより「多様性」に対する感度が高いか

 今回の調査では、普段多様性をあまり意識していない人たちの存在を考慮し、「分からない」という選択肢を用意した。結果をみると「分からない」の選択者は、全体の1割強となり、一定数存在することが分かった。

 しかし、その比率は若年層になるにつれ減少傾向がみられる。学校教育でSDGsについて学ぶ機会も増えていることなどが、若年層の多様性に対する感度を押し上げているのかもしれない。

●Z世代を含む10代、20代の回答傾向は全体傾向と異なる

 上図で示した通り、10代~20代の若年層が「多様性が尊重されていると感じる」上位2項目に、「様々な顔立ち」がトップにあげられるなど、全体傾向と異なる点があることが注目される。

 若年層では、まだ自分に合ったメイクやスキンケアが分からないという人も多い。様々な顔立ちのモデルが起用されることで、自分が使用している姿をイメージしやすくなったり、ターゲット外だと排除されていると感じにくくなる、ということが考えられる。

 また、「男性」についても他の年代より上位に位置しており、ポジティブに受け入れられている様子がうかがえる。

3.多様性を感じさせる広告モデルが起用された広告を目にする機会は多くない

 項目により高低はあるものの、生活者の多くが多様な広告モデルから「多様性を尊重する」というメッセージを受け取っていることが分かる。しかし、こうした多様なモデルが起用されている広告を目にする機会はまだまだ少ないようだ。

 以下の図は、同一の選択肢で聴取した次の2問の結果を組み合わせて表示したものとなる。

  • 縦軸: Q.以下の人たちが起用されている広告は、「多様性が尊重されている」と感じ。あてはまるものをすべてお選びください。(いくつでも)
  • 横軸:Q.以下の人が起用されている化粧品の広告を見たことがありますか。(いくつでも)
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 横軸の「広告を見たことがある」項目で5割を超えるのは「様々な人種・国籍」「男性」が起用されている広告の2項目のみであり、かつその2項目も6割に達していない。

 特にグラフエリア左側にプロットされた「標準体型でない人(プラスサイズモデルなど)」、「LGBTQ」、「ハンディキャップ、障害をもつ人」の3項目については、平均を下回った。

6割強が、多様性を感じられるモデルを起用する企業に好感を持つ。一方で好感度と購買意思とはギャップも

冒頭で触れた「そのモデルが多様性が尊重されていると感じるのか」という、質問に対し、いずれかの選択肢について「多様性が尊重されている」と回答した約85%の回答者に対し、追加の質問を行った。

 こうした人たちを広告モデルに起用しているブランドや企業を、「応援したいと思う」かという問いに対しては、「そう思う」が6割を超えたのに対し、「商品を購入したいと思う」かに関しては「そう思う」は4割にとどまった。

 このギャップの要因には、商品購入時は「効果感」や「使用感」など、商品選択における重視項目が増えることなどがあげられそうだ。(タップで画像拡大)

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重要なのは「自分らしさや人それぞれの美しさが尊重されている」と感じられること

 上記の結果をA.「応援したい/かつ購入したい」と思う人たちのグループと、B.「応援したい/が購入は別」と思う人たちのグループに分け比較した。

 グループAはやや年代が若く、「化粧品を選ぶ時は、環境への配慮やSDGsへの取り組みを重視する」といった嗜好性を持つ人が多い傾向がある。

 しかし、グループAとBで最も違いが出たのは、広告モデルの起用に対して多様性が尊重された広告に対し、「自分らしさや人それぞれの美しさを尊重しているように感じる」かどうかについての回答だった。

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 購入意向につながるグループAでは、5段階中TOP1である「そう思う」の回答が6割を超えているのに対し、購入意向につながるかどうか分からないグループBは4割強にとどまった。

 また、アンケートでは約3割が、多様なモデルを起用した広告に対し、「『多様性を尊重する』という価値観を押し付けられているように感じる」と回答した。さらに、その比率が若年層でより高いことがわかった。

【調査概要】
化粧品に関するアンケート
調査地域:全国
調査方法:Web調査
調査時期:2022年3月28日(月)~30日(水)
調査対象者:@cosmeプロデュースメンバー/全国/女性/15~59歳(@cosmeの年代構成比に合わせ割付)
調査対象者数:9,513名

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/28 14:00 https://markezine.jp/article/detail/39535

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