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第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

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MarkeZineプレミアムセミナー

音部氏が語る、パーセプションフロー・モデルを描く前に知っておくべきこと【描き方も解説】

 「実務」「実践」「再現性」の切り口から、マーケティングの次の一手を探る「MarkeZineプレミアムセミナー」。4月19日実施回には、『The Art of Marketing マーケティングの技法』(宣伝会議)の著者である音部大輔氏が登壇。同氏が考案した、消費者起点で描くマーケティングの全体設計図である「パーセプションフロー・モデル」を開発する前に知っておくべきことや描き方について解説した。

汎用性と再現性の高い共通言語が、組織を成長させる

株式会社クー・マーケティング・ カンパニー 代表取締役 音部 大輔氏

株式会社クー・マーケティング・ カンパニー 代表取締役 音部 大輔氏

 セミナーの冒頭、音部氏はパーセプションフロー・モデルの描き方に入る前に、組織の成長とは何かについて解説した。音部氏は、成長を「昨日できなかったことが、明日できるようになること」と定義。その上で「新商品の開発や新しいチャネルの開拓などのこれまでなかった手段の活用に加えて、新しい経験や知識を身に付けるナレッジマネジメントが重要」だとした。

 そして、組織の成長を一気に加速させるために重要なのが知識の共有だ。共通言語で話せる知識のベースを作り上げた組織は強い。音部氏がパーセプションフロー・モデルを公開したのも、このモデルを共通言語にマーケティングの戦略・戦術を組み立てることで、組織の著しい成長が図れると考えたためだ。

 そしてパーセプションフロー・モデルは、「改良・検証済みであること」「汎用性と再現性が高いこと」の2つの特徴を持つ。音部氏はP&Gやダノン、ユニリーバ、資生堂など様々な業界でのキャリア、さらには独立後まで通して検証を続け、50を超えるブランド、6,000億円以上のマーケティング投資の中で改良を繰り返してきた。

 また、汎用性と再現性に関しても、パーセプションフロー・モデルはテレビやネットなど特定のテクノロジー・手法に依存していないので、共通言語化できる。マーケティング以外の部門に対する説明もしやすく、連携と共創も生まれやすい。

パーセプションフロー・モデルとは? 特徴と効用も解説

 続けて音部氏は、パーセプションフロー・モデルの内容、そのメリットについて紹介した。パーセプションフロー・モデルとは、一言で言えば「マーケティング活動の全体設計図」。人の認識(パーセプション)の変化を起点に、目的や行動、パーセプション、知覚刺激、KPI、メディア/媒体などをまとめることができるマーケティング・モデルだ。

 デジタルの浸透が進むとともに新しいチャネルやツールが多数登場し、消費者の価値観も多様化した。結果として企業は「個別最適な状態に陥ってしまう」「他部門とうまく連携できていない」「消費者中心の文化が根付かない」といった課題に直面するようになった。

 これらの課題の共通点として音部氏は「全体図がない」ことを挙げた。全体を俯瞰できないまま、新しい手段をどんどん取り入れてしまうばかりに、先述したような課題が複合的に起きてしまうのだ。

 では、パーセプションフロー・モデルはこれらの課題をどのように解決してくれるのだろうか。音部氏は、それに答えるように3つの特徴とそれによって得られる効用を紹介した。

 1つ目は、全体を俯瞰できるという特徴。全体設計図を描くことで、活動全体を最適化してマーケティングROIを改善でき、活動目的を明確にすることが可能だ。

 2つ目の特徴は、消費者中心の活動設計になること。消費者の認識の変化を中心に描くため、マーケティングの4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)すべてに対応できる。そのため、消費者を中心にしたマーケティング活動の展開が可能だ。また、新しいテクノロジーを導入する際も、「消費者の認識にどのような影響を与えるのか」という視点で目的を整理できる。

 そして、3つ目は共通言語として共有しやすいこと。先述のようにパーセプションフロー・モデルは汎用性・再現性が高いという特徴を持つ。そのため、パーセプションフロー・モデルが知識の収集・蓄積・流通のプラットフォームになる。音部氏によれば、「複数ブランドを持つ企業であれば、ブランド間の知識共有にも役立つ」とのことだ。また、全体像を示すことで、経営層も権限委譲しやすく、自律的なオペレーションを組めるメリットを持つ。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/30 07:30 https://markezine.jp/article/detail/39797

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