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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

商品販促キャンペーンを効率化するポイント活用戦略

売上3割増を可能にするキャンペーン設計とは?アサヒ飲料が語る、共通ポイントの販促活用


商品カテゴリとターゲットの思考に「マッチするルール」

MZ:他にどのような工夫、差別化をしていますか?

森本:これもその飲料カテゴリによって顧客の属性に違いがあるため、それに合わせてポイントの付与の仕方を変えるといった工夫をしています。

商品カテゴリの例
商品カテゴリの例(アサヒ飲料の公式サイトより)

森本:たとえば、缶コーヒーでは販売チャネルが自販機中心で、40~50代の男性がコア層となっていますが、この場合、抽選などにチャレンジすることでより高いリターンが見込めるキャンペーンの方が比較的効果が高くなります。同じポイントキャンペーンでも、単純に「10ポイントが必ずもらえる」より「抽選で500ポイントが当たる」というキャンペーンにした方が、複数本を買って何度かチャレンジしていただけるということがあります。また、お茶や水のように比較的主婦層のニーズが高い商品カテゴリに関しては、必ずもらえるキャンペーンの方が「節約につながる」と考えていただけます。

 このように、商品カテゴリごとに異なる主要なお客様の思考にいかにマッチングするかを考え、打ち出すキャンペーンのルールに若干の変化を加えています

将来的なデータ連携はLTV向上の足がかりに

MZ:最後に、ポイントを活用したキャンペーンにおいて今後求められること、御社としての展望をお教えください。

森本:当社としては、一つひとつのポイントキャンペーンの成果に一喜一憂することなく、データの蓄積によってLTVを向上できるような施策を展開できればと考えています。

 そのためにも、今後プラットフォームの整備が進み、購買証明が取れた状態でキャンペーンに参加いただいたお客様のデータを活用しLTVの向上につなげたいと考えています。

 そもそもキャンペーンのためにシールを貼り付けるのは、購買した上でキャンペーンに参加いただけるようにするためです。しかし、これには当然コストがかかります。

 もし将来的に各プラットフォームのユーザーの属性データと決裁データが連結し、シールなどがなくとも確実な購買証明の上で効率的にキャンペーンが貯められるようになれば、コストメリットは大きいです。さらに、企業として取り組むべき環境配慮への貢献も期待できます。

 購買証明が取れている顧客データがあれば、キャンペーンが終わった後でも参加した方にお得な情報を配信するなど、当社ブランドとの接触頻度を上げることが可能です。このようにロイヤルティの高いお客様を可視化し、LTVをさらに上げていくことが、今後我々が取り組むべき重要な戦略の一つになっています。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/24 19:00 https://markezine.jp/article/detail/40138

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