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MarkeZine Day 2022 Autumn

パイオニアの石戸氏が語る!前年度比200%超の商談化数を達成したBtoBマーケティング変革の1年

 1938年に創業し、スピーカーをはじめとする音響機器や車載機器メーカーとして市場をけん引してきたパイオニア。2019年に非上場化し、ソリューションサービス企業への変革を進める同社の再成長に石戸氏も携わっている。「モノづくりのメーカーがサービスビジネスを拡大するには様々な困難があった」と話す石戸氏。本稿ではMarkeZine Day 2022 Autumnで企画されたパイオニアのセッションの様子をレポートする。

業績を維持しつつ変革の時代へ

 本セッションの登壇者である石戸亮氏は2020年、パイオニアのデータソリューション事業を担当する「モビリティサービスカンパニー」にCDOとして入社。CCO/CMOを経た後、2022年9月からはパイオニア全社のCDOを担当している。パイオニアに入社する以前は、GoogleやSalesforceなどに勤務してきたという。

パイオニア モビリティサービスカンパニー チーフ・カスタマー・オフィサー 兼
チーフ・マーケティング・オフィサー(講演時) 石戸亮氏

 スピーカーを祖業とするパイオニアは1990年に世界で初めて市販向けGPS付きカーナビを発売し、車載機器メーカーとして知られるように。2000年以降は「事業の選択と集中」を行い、カーエレクトロニクス事業を基幹事業に据えた。その後業績が低迷した同社は、再成長を図るべく2019年に非上場化して事業ポートフォリオの見直しを行う。現在は外部から新たな人材を迎え入れ、新たなフェーズに進んでいるという。

 現在、パイオニアが展開する事業は主に2つ。1つ目が「モビリティプロダクト事業」だ。モビリティプロダクトとは、カーナビやカーオーディオをはじめとする市販向け、自動車メーカー向けの車載器などを指し「今も売上の大半を占めている」と石戸氏は説明する。

目標は「前年度比200%超の商談化数」

 パイオニアの事業の2つ目「モビリティサービス事業」では、企業のモビリティ領域のDXを支援している。

パイオニアが展開する事業の一例。左のデータソリューション事業がモビリティサービスカンパニーの担当事業だ

 モビリティサービスカンパニーのCDOとして入社した石戸氏の最初のミッションは、モビリティサービス事業の円滑な運営にあったという。モビリティサービスカンパニーの当時の目標は「商談化数を前年度比200%以上にすること」。結果として今では、前年度比240%の成果を恒常的に達成できているというが、どのような施策を打ったのだろうか?

 石戸氏はまず、組織の状態やリソースなどを踏まえた上で「何をすべきか」を整理。その結果、浮かび上がってきた最初の課題が「社内のマインドチェンジ・共通認識化」だった。というのも、従来パイオニアが提供してきたカーナビなどの商材は「売り切り型」。売れば、売上に即貢献できた。一方、モビリティサービス事業のビジネスモデルは、車の走行データを活用し、車両管理や安全サポートなどを行う法人向けソリューションを商材とするSaaSビジネスのような「リカーリング型」。販売後の顧客満足度やサービスの継続が売上につながる。「両者のビジネスモデルの違いを社内に浸透させること、共通認識化が重要だった」と石戸氏は語る。

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足りないピースは「圧倒的な事業推進力」

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/04 08:30 https://markezine.jp/article/detail/40186

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