活用しながらリアルタイムで詳細なデータを収集できる
山田:御社とメタバースに取り組むと、たとえばCPAだけでは測れない価値やコミュニケーションの価値を一緒に作れそうですね。
成田:そうですね。私自身も長く広告事業に携わってきたので、その点を気にされる気持ちもわかります。そこは大切にしつつも、CPAの向こう側を知るために企業様とご一緒していろいろと試したいです。
クラスター社はBtoCのUGC事業をメインに据えつつも、BtoB事業においては法人イベントを年間160本ほど実施しています。その中で大事にしているのは、企業様に取得情報のフィードバックをしっかりすることと、分析材料データをご提供することです。
各企業様の方針や事業軸に寄り添い、長きに渡って総合運用していける基盤やデータをご提供できる点が自社プラットフォームならではの強みであり、企業様にご好評いただいているポイントですね。
clusterでは、訪問数や滞在時間データ以外にも、たとえば空間内のブースから半径1mに何人が立ち寄ったのか、10秒以上留まった人が何人いるのかなどがわかります。また、空間内でのユーザー目線のヒートマップも出せます。臨場感あるイベント空間を作りつつ、デジタル3DCGの空間で実施するからこそ取得できるデータが多数あります。
山田:自社プラットフォームだとヒートマップまで見えるのですか。海外のプラットフォームを使用すると、そこまで見られない場合もありますよね。
成田:他にもコメントや、拍手やいいね!などの「エモート」を何人がどれぐらい打ったかといった参加者の能動的な行動も分析できます。4択クイズを出してリアルタイムに回答を集計したり、イベント中にアンケートを採ったりも可能です。企業様が継続的に活用できるように、様々なデータを収集できるようにしています。
海外も視野に入れ「世界初」を共創したい
山田:今後の展開についても伺いたいのですが、海外進出なども考えていらっしゃいますか?
成田:はい。しっかりと日本で足場を固めて、強いコミュニティを持つコンテンツを作り、企業様と一緒にそのコミュニティを抱えて海外で挑戦したいと考えています。実際に、2022年の7~8月には、ゲームアプリの「Fate/Grand Order」(北米地域向け英語版)でUS限定の施策を実施しています。
山田:海外展開以外ではいかがですか?
成田:2022年9月に東京ゲームショウに出展し、ストア機能をリリースしました。2023年の初頭を目処に、アバターが身につけられる帽子や眼鏡などのアクセサリーや、アバター自体を売買するストアもリリースしていきます。

山田:クリエーターエコノミーを回す機能が続々と揃ってきていますね。ちなみに、今後メタバースに取り組みたいと考える企業がまずは抑えておくべきポイントはありますか?
成田:2つあります。1つは、「誰向けに何を届けたいのか」を明確にしていただくこと。ビジョンに合わせて最適な施策を当社が提案します。もう1つは、事前にメタバースを触っていただくこと。どのサービスでもいいので、複数人で1~2時間程度は体験してほしいですね。アバターを使用して3DCG空間でコミュニケーションしたり、一緒に行動する経験をしたりしていただきたいです。
「こんな使い方ができるのか」と体感し、「誰に何を」とセットでご相談いただけると、ブレストやディスカッションのレベルが格段に上がります。これは本当に一番重要なポイントです。
clusterは「世界一敷居の低いメタバース」を目指し2022年春にスマホアプリを導入し、さらにユーザーが増えました。現在、ワールドに入るだけなら登録もスキップでき、簡易に体験できます。
また、クラスター社はメタバースにNFTやVRは必須ではなく、3DCGの空間にアバターという身体性があり、かつそこで相互にコミュニケーションできれば良いという、オープンな発想で考えています。ですから、「世の中にない取り組み」を思いついた企業様、担当者様にはぜひ一度ご相談いただきたいですね。一緒に「日本初」や「世界初」を作りたいと思っています。
山田:clusterが持つ新しい場所としての可能性や広がりを感じました。本日はありがとうございました。