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CTV視聴者が昨対比330%成長!ABEMAのCTV戦略とは


THE MATCHやワールドカップに向けて施策を展開

──今年の6月には格闘技大会の「Yogibo presents THE MATCH 2022(以下THE MATCH)」を独占生中継して、視聴者数が当時の開局史上最高を記録されています。この時もスマホとのクロス施策を展開されたのでしょうか?

徳山:そうですね。「THE MATCH」に向けて1月頃から施策を展開していました。ABEMAの視聴ページに先ほどのようなLPへの導線を貼ったり、「THE MATCH」中継中に解説者の方にテレビデバイスでの視聴について宣伝いただいたりしました。その結果、「THE MATCH」の週にスマホとテレビデバイスの両方でログインした人の率が、通常に比べ大きく増加しました。スマホで「THE MATCH」の放送を知り、CTVに流れてきたユーザーが多かったといえます。

 そもそもスポーツ中継の視聴体験として、大きい画面と相性もよく、誰かと一緒に見る楽しさもあるので、そういった需要にCTVはマッチしている傾向がありますね。

──ちなみに、番組コンテンツもCTVにマッチしたものを戦略的に制作されているのでしょうか?

徳山:確かにABEMAではスポーツ中継や、テレビ局が放送しているバラエティ番組のスピンオフ版となどのコンテンツも提供しています。これらはテレビデバイスで親しみやすいコンテンツではありますが、CTVの成長が目的ではありません。ABEMA全体を盛り上げるコンテンツを追求した結果、結果的にCTVでも見ていただけています。そのような意味では、今後もABEMAのコンテンツを大画面で見ていただくチャンスはたくさんあると感じています。

──ABEMAではFIFAワールドカップの配信がされました。どのような反響があったのでしょうか?

徳山:11月23日(祝・水)のドイツvs日本戦が行われた1日のABEMA視聴者数が1,000万を突破しました。11月27日(日)に開催された日本のグループステージ2戦目となる対コスタリカ戦が行われた1日の視聴者数は1,400万を突破し、日本vsスペイン戦、コスタリカvsドイツ戦などが生中継された12月2日(金)には1日の視聴者数が1,700万を突破して開局史上最高数値となりました。試合を重ねるごとに多くの方にご視聴いただけています。テレビデバイスの視聴者数も昨年同時期と比較して330%伸長しました。

──試合が進むにつれ、ABEMAの存在感も大きくなったのですね。これまでABEMAに触れてこなかった方へのアプローチが、今回は特にポイントになったと思うのですが、具体的にどんな施策をされましたか。

徳山:まさに今回のFIFAワールドカップは、ABEMAを使ったことがない方々に利用していただく機会になればと考えています。そういった方に向けてはテレビCMや、雑誌『Number』とのコラボした号外の配布を行っています。日本中の多くのみなさまにABEMAで「FIFA ワールドカップ カタール 2022」を楽しんでいただけるよう、様々なプロモーションを展開しました。

Numberとのコラボでは特別号の配布や電車広告を展開
Numberとのコラボでは特別号の配布や電車広告を展開

 また、メーカーとコラボして家電量販店の店頭で「ABEMAでワールドカップを見よう」という訴求も行っています。メーカーにとってもPRになり、我々も普段接触できない層にリーチできています。

メーカーとコラボしたプロモーションを家電量販店の店頭で展開
メーカーとコラボしたプロモーションを家電量販店の店頭で展開

テレビ視聴時にABEMAを自然な選択肢へ

──コンテンツやユーザーごとに使用するデバイスの傾向は見えてきましたか?

徳山:スポーツやライブなど長時間のコンテンツはテレビデバイスで見られる傾向があります。とはいえ、たとえば野球中継を見ている時に1回から7回までテレビで見て、いいところで家を出なきゃいけない場合もありますよね。そこでスマホで続きを見られるのが、ABEMAにおけるスマホ×CTVの強みだと考えています。スポーツに限らず、ドラマや映画、恋愛番組など様々なジャンルの番組において、こうした強みは生かせると考えています。

 また、CTVを利用される方はテレビの所有者ですから、普段あまりスマホやネットを活用されない方々もいます。今までABEMAに触れてこなかった方にリーチするために、CTVが大事なポイントになると感じています。

──そういった意味では、リモコンのボタンの意義は大きそうですね。そもそもどういった狙いで導入されたのか詳しく伺えますか。

徳山:テレビを視聴する際は、チャンネルのボタンを押してザッピングすることが多いです。「何を見ようか」とチャンネルを巡回する中にABEMAが横並びで入ることが、サービスを伸ばしていく上で重要だと考え、ボタンの搭載に至りました。

──メーカーとの連携においては、ABEMAとはまた違う視点も入ってくると思います。

徳山:いい化学反応が起きていると思います。個人的に感じたことですが、メーカーのみなさんにとってもプラットフォームでの新たなビジネスを展開するという点において、新しい成長チャンスを感じていらっしゃるようです。

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CTV広告の計測技術・商品開発も加速

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/26 11:34 https://markezine.jp/article/detail/40670

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