アリババは、海外ブランドが中国の消費者を惹きつけるための越境ECにおける4つのトレンドを発表した。
トレンド1:中国からの観光客が増加
まず、2023年1月8日からの中国における隔離義務撤廃にともなう中国人観光客の増加を受け、海外ブランドのビジネス機会の増加を予測。
アリババグループのBtoC小売り事業部責任者である劉鵬氏は「中国からの渡航が再開されると、隣国であるアジア諸国が最も直接的な影響を受けることになります。中国人観光客は日本やヨーロッパに渡航し、現地の製品を探し求めるでしょう」とコメントした。
トレンド2:海外ブランド需要が高まっている
次に、中国市場における海外ブランドへの需要の伸長が挙げられた。コロナ禍にもかかわらず、輸入消費財の売り上げは2021年に約19%増の1兆7300億元(約33兆円)、2022年上半期には前年同期比11.1%増の1兆元(約19兆円)に。同期間における国産消費財の売り上げがわずかに減少したのに対し、輸入消費財の売り上げは増加した。
トレンド3:「アウトドア」「ペットケア用品」が成長
また、アウトドアやペットケア用品などのカテゴリーにおいて継続的な成長が見込まれている。デロイトとTmall Global(Tモールグローバル)が発表した「中国輸入消費市場調査レポート2022」によれば、スキー用品の輸入額は700%以上成長した。さらに輸入ペット用ウェアの売り上げは653%増、ペット用玩具の売り上げは457%増を記録した。
トレンド4:オンラインチャネルを通じてブランドストーリーを伝える
最後は、ブランドストーリーを消費者に伝える重要性だ。マッキンゼーが発行した「中国の消費者に関する報告書(2023年)」によると、中国の消費者は購入するブランドや製品を他のどの市場の消費者よりも徹底的にリサーチしている。中国の消費者はデジタルサービスに精通しており、ソーシャルメディアやその他のオンラインチャネルを通じて自身が必要とする情報を収集する傾向がある。
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