自動販売機ビジネスに風穴を開ける「Coke ON」
「Coke ON Wallet」は、2022年11月下旬にリリースされた。同サービスはCoke ONで提供されている「Coke ON Pay(コークオン ペイ)」の決済手段として、対応する自動販売機42万台で利用することができるという。
自動販売機ビジネス全体は縮小傾向にあるが、各社自動販売機を設置しているため競争が激化している。こうした中、国内で約88万台の自動販売機を運営している日本コカ・コーラは、一部の自動販売機でカードにポイントが貯められるポイントプログラムを実施し、成功を収めてきた。また、生活者の急速なスマホシフトにともない、スマホでポイントが貯められるようCoke ONの提供を開始した。
アプリでは独自のポイント機能を展開。アプリ対応の自動販売機と接続した状態でドリンクを購入すると「スタンプ」が付与されるようにし、スタンプが15個貯まると同社製品が1本無料となるドリンクチケットが手に入るようにした。その他にも様々なサービスを展開した結果、同アプリは2022年9月に累計ダウンロード数4,000万を突破した。
Coke ON Wallet登場に隠された2つの理由とは?
今回新しく追加されたCoke ON Walletは2つの機能を持っている。1つ目の機能は「Coke ON ポイント」だ。今までのスタンプ機能に加え、キャンペーンの参加や「Coke ON Wallet」へのチャージなどでポイントが付与される。貯まったポイントはCoke ON対応自販機にて1ポイント1円で使うことが可能だ。
2つ目の「Coke ON マネー」は、登録した銀行口座から最低200円から1円単位でチャージできる機能。1,000円以上チャージをすると、チャージ金額の5%がポイントとして還元される。さらに同機能は、2023年内にCoke ON対応自販機での現金チャージにも対応する予定だ。
では、日本コカ・コーラはなぜCoke ON Walletをリリースしたのだろうか。永井氏は「サービス導入には2つの理由がある」と語った。
「コカ・コーラは、自動販売機を運営しているリテーラーという側面があります。無人販売のため、どのような形で顧客体験を向上できるのかを日々検討しております。その中で(Coke On Walletは)接客・販促を良くするひとつの方法になるのではと考えています。また飲料ブランドとしては、年間で非常に多くのプロモーションキャンペーンを行っております。それらを、よりフレキシブルで魅力的なものにしていきたいと考えております」(永井氏)