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「インバウンドの思想」をマーケティングに~実践事例とその思考プロセス~

インバウンドなオウンドメディア運営とコンテンツ制作法 鍵は「トピッククラスター戦略」にあり

 インバウンドの思想と、その施策を実践する方法を具体的に紹介する本連載。7回目となる今回のテーマは「インバウンドなSEOとコンテンツ制作」です。「HubSpot Japan 日本語ブログ」編集長の水落絵理香と、マーケティングチームSEOストラテジストの池村真澄が、インバウンドなコンテンツ制作・ブログ運営と、アルゴリズム更新に合わせた新たなSEO戦略について紹介します。

編集長とストラテジストによる分業体制

 インターネットの普及により、企業が自社でWebサイトを立ち上げ情報を発信する、いわゆるオウンドメディアの活用が広く一般的となりました。オウンドメディアを通じて自社のサービス・プロダクトに関する内容や周辺情報を提供することで、企業は親和性の高いユーザーを集客でき、リードの獲得につなげられるからです。こうしたメリットから、マーケティング施策としてオウンドメディアに取り組む企業も多く見られます。

 一方で「サイトのアクセスや検索順位が上がらない」「記事のネタがなかなか見つからない」など、担当者にとっては悩みもあるようです。Googleが定期的に実施するアルゴリズム更新の影響でサイトのトラフィックが下降してしまうケースも多く、2022年にはHubSpot Japan 日本語ブログも影響を受けました。今回は、私たちがHubSpot Japan 日本語ブログを運営する中で学んだポイントをお伝えできればと思います。

 まず、私たちはHubSpot Japan 日本語ブログを「顧客と企業がつながる最初のきっかけであり、顧客とHubSpotを結ぶ重要な接点の一つ」と捉えています。平均して月に30〜40本の記事を公開し、外部パートナーを含めた約50名のチームを、SEOストラテジストとブログ編集長の2名体制でまとめています。なぜ2名で分業しているかというと、コンテンツ制作とSEO戦略の立案・実践はまったく違う側面からコンテンツの質を高める役割を担っているからです。

インバウンド思想の共有がブログ運営の鍵に

 SEOストラテジストは、検索結果として表示される当社の記事が読者の実際の情報ニーズと合致するよう、現状のキーワード別順位やトラフィックを考慮しながら戦略を立てる役割を担っています。検索エンジン(Search Engine)と向き合っていますが、最終的に最適化したいのは読者の「検索体験(Search Experience)」です。

 一方でブログ編集長は、SEOストラテジストの戦略に沿って実際のコンテンツ制作を行います。読者が最適化された検索体験を通して求めている情報に出会った後、「読者が求めていた情報をよりわかりやすく、役立つ形でお届けできるか」「読者が探していた情報以上の気づきをもたらすことができるか」などの視点に立って、記事の品質と本数を担保することが編集長の重要な役割です。

 このように、SEOストラテジストとブログ編集長は異なる脳を使うイメージで分業しています。「分業することで溝が生まれないのか?」といった質問を受けることがありますが、私たちは「読者視点で考える」というインバウンドの思想を共有しており、読者に対して何がベストなのかを互いにすり合わせながら業務にあたっているため、双方で溝を感じたことがありません。むしろ、分業制にすることで「検索プラットフォームを見ている側と読者を見ている側の両面からブログ制作を支えることができる」というメリットの方を強く感じています。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

HubSpot Japan 日本語ブログ編集長。CMS制作会社の営業職に従事した後、Webマーケティングメディア「ferret」の立ち上げから参画し、ライター・副編集長を経て独立。「MarkeZine」や「ITMediaMarketing」「AMP」など複数のビジネスメディアで執筆活動する傍ら、BtoB、BtoC複...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

池村 真澄(イケムラ マスミ)

HubSpot Japan マーケティングチームSEOストラテジスト。旅行、アパレルなどのメディアサイトやECサイトのWebデザイナーとして従事。その後、Webマーケティング職へ転身。留学やフランチャイズなど複数の比較メディアでSEO・CROを担当。2022年4月より現職。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41507

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