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第106号(2024年10月号)
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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

ROI前年比125%を実現 アシックスと富士フイルムビジネスイノベーションが実践したスマートDM施策

 企業のメッセージを手元に残るリアルな印刷物で届けることができ、顧客とのつながりを生む「ハガキ」のDM。アシックスジャパンでは、富士フイルムビジネスイノベーションとともにデジタルと連動するDM施策に取り組んでいる。会員サービスへの登録と新商品購入におけるDM施策で大きな成果を挙げ、全日本DM大賞において銀賞および審査員特別賞データドリブン部門を受賞した。今回は、デジタルとアナログが融合した両社のスマートDM施策の事例から、実施の狙いや戦略設計、クリエイティブの工夫を聞いた。

DMを活用して会員登録・新商品購入を促進

MarkeZine編集部(以下、MZ):皆さんの自己紹介と、現在の業務について教えてください。

髙岡:2008年に転職でアシックスに入社後、販売計画部を経て、2012年からウォーキング開発部の企画チームで商品企画に携わりました。その後、2015年から現在に至るまで、アシックスジャパン(以下、アシックス)の日常履きのシューズをメインで取り扱うウォーキング事業部で、デジタルやSNS・トレードマーケティング関連などの様々な領域のマーケティング業務に携わってきました。現在は、主に直営店のマーケティング担当をしています。また、一般社団法人日本ダイレクトメール協会のDMマーケティングエキスパート資格も取得しております。アシックスジャパン株式会社 ウォーキング事業部 リテールマーケティング部 デジタルマーケティングチーム 高岡 理世氏

アシックスジャパン株式会社 ウォーキング事業部 リテールマーケティング部
デジタルマーケティングチーム 髙岡 理世氏

池田:2006年に富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)に入社以来、営業畑を歩んできました。2009年からはグラフィックコミュニケーション営業統括部で、トランザクション印刷や商業印刷で使われる大型のプロダクションプリンタの営業を行ってきました。その後、2020年頃からマーケティングDXを支援するグループへと異動し、2022年より今回アシックス様にご採用いただいたマーケティングDX「Marketing Cockpit」の販売促進、また営業支援として西日本エリアを担当しています。

森村:2010年に富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)に入社後、当初はシステムエンジニアとして主にバリアブル印刷(可変印刷)の技術支援を行い、DMではよくバリアブル印刷が使用されることから、その後DMのターゲット設定や分析も担当しました。2022年頃に今回の「Marketing Cockpit」サービスを立ち上げ、現在は現場でお客様にサービスを届けるエンジニアとして活動しています。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 グラフィックコミュニケーション事業本部 DX事業推進部 企画グループ 森村 貴志氏(写真左)、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 グラフィックコミュニケーション営業統括部 グラフィックコミュニケーション販売推進部 マーケティングDXグループ 池田 歩氏(写真右)
(写真左)富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
グラフィックコミュニケーション営業統括部 グラフィックコミュニケーション販売推進部 池田 歩氏
(写真右)富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
グラフィックコミュニケーション事業本部 DX事業推進部 森村 貴志氏

MZ:今回、アシックスが行ったDM施策について概要をお教えください。

髙岡:2つの施策がございます。1つ目は、アシックスの会員システムである「OneASICS」の登録促進のDMです。OneASICSは2018年から新たにスタートした会員システムですが、旧会員システムから切り替えてくださる方や新規登録者がなかなか増えていかないという課題がありました。そこで、旧会員のOneASICSへの登録を促すために、会員登録キャンペーンとして3,000円オフのクーポンや、OneASICS会員が得られるお得な特典をDMに記載し、1万5,000通を配布しました。

 もう一つは、2022年4月に新発売したスニーカー「PEDALA RIDEWALK(ペダラ ライドウォーク)」の購入促進のDMです。購入促進という特徴から、以前アシックスでスニーカーを購入された方を中心に、親和性の高いセグメントに向けて約7万通を配布しました。

二次元バーコードトラッキングで実店舗とECの顧客は共存可能と判明

MZ:アシックスが新たなDM施策を行った背景を教えてください。

髙岡:従来からハガキによるDM施策は実施していましたが、セグメントが「購入金額上位」といった簡単なものだったため、DM送付後の細かな分析ができず難しく感じていました

 富士フイルムビジネスイノベーション(以下、富士フイルムBI)様の「Marketing Cockpit」は、DMを送付する際のセグメント抽出や、購入者の可視化や効果測定・行動分析ができる点が魅力です。当社のニーズとも合致しており、採用に至りました。

 実際に「スニーカー購入層」といった商品に合わせたセグメントや、非会員の中からさらに細かなセグメントなど、施策に合わせたセグメント分けができて効率的になったのは非常に良かったです。

 DMは元々直営店舗への来店施策である一方で、二次元バーコードをつけてECサイトへの誘導も行っていました。店舗スタッフからは「ECサイト用の施策じゃないか」という反発もありました。

 しかし、DMを受け取った既存のお客様の多くは、Web上でコンテンツを確認しつつも実際は店舗で購入されていることが、二次元バーコードによるトラッキングにより明らかになりました。DMで購入までの行動が可視化できたことで、「お客様は店頭のサービスにご満足いただけているからこそ来店してくださっている」ことがわかり、今では自信を持って施策を行うことができています。

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パーソナル二次元バーコードを付与して遷移率を10%改善

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この記事の著者

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/28 12:37 https://markezine.jp/article/detail/41535

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