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物価高で消費者の買い物はどうなった?購買場所・商品を変化させ、しのぐ姿が明らかに

 2022年から盛んに物価高に関する報道を見聞きするようになりました。今回は、物価上昇の中で、消費者の食料品における購買行動、購買意識がどのように変化したのか、マクロミルの消費者購買履歴データ「QPR」を用いて分析していきます。なお、2019年の消費税増税、2020年・2021年の新型コロナウイルスの流行を加味して、2018年と2022年を比較し、分析します。

購入金額は増加も、安さを求めて購買場所がシフト?

 2023年2月に総務省発から公表された「消費者物価指数」によると、2022年12月の前年同月比はエネルギー15.2%、生鮮食品を除く食料7.4%と、エネルギーのほうが上昇率は高いことがわかります。一方、家計へ与えるインパクト(寄与度)はそれぞれ1.21と1.67で、食料のほうが大きいことが示されています。

 消費者にとって、エネルギーの値上げに対応する術は限られています。一方、食料の値上げについては、そのまま値上げを受け入れるだけでなく、購入先や購入方法の変更、購入商品の変更など、様々な工夫や対応をしていることが考えられます。消費者の食料品における購買行動、購買意識はどのように変化しているのでしょうか。

 はじめに、消費者購買履歴データ「QPR」(以下、QPR)を用いて、購買行動の全体像の変化を捉えます。総合指標である100人あたり購入金額を「買い物バスケットの中身」と「“買い物に行く”という行動」に分解すると、2022年の100人あたり購入金額は、2018年比で108%と伸長しています(図表1)
【図表1】食料品の100人あたり購入金額の分解
【図表1】食料品の100人あたり購入金額の分解

 伸長の要因は「買い物バスケットの中身」にあり、特に1点あたりの購入金額の伸長(105%)が主な要因です。一方で、購入回数も102%増であることから、購買の仕方に変化が起こっていることがうかがえます。

 次に、食料品の購入場所を業態別に見てみましょう(図表2)

【図表2】業態利用の変化
【図表2】業態利用の変化

 スーパーでは、1点あたりの平均価格が上昇したことで100人あたりの金額が増加していますが、100人あたりの食料品購入金額の業態シェアは、スーパーが縮小し、ドラッグストアとホームセンター・ディスカウントストアが伸長しています。

 これは、ドラッグストアでは、平均価格の上昇に加えて購入回数も増加していること、ホームセンター・ディスカウントストアでは、1回あたりの購入点数と購入回数が増加していることにより、1点当たりの平均価格のみが増加しているスーパーと比べて100人あたり購入金額の増加が大きかったためです。

 全業態で食料品の総購入回数、平均利用業態数は変化していないことから(図表1)、複数業態の使い分けが進んだのではなく、食料品の購買機会がスーパーから、ドラッグストアやホームセンター・ディスカウトストアへシフトしたとわかります。

 加えて、ホームセンター・ディスカウントストアでは、バスケット内の購入点数が5.8個から6.4個へと、スーパー並みに増加しており、食料品の購買場所として変化していることがうかがえます。より買い求めやすい価格の商品を求めて、購買場所を変えているのかもしれません。

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この記事の著者

赤間 かおり(アカマ カオリ)

株式会社マクロミル
プロダクト統括本部 事業企画部 プロダクトプランニング&マーケティングユニット
学部で消費者行動論を就学、大学院にて経営情報学を専攻、修士号を取得。マクロミルでは、リサーチャー、アナリスト、消費者購買履歴データ「QPR」サービス開発、プロジェクトマネージャーと役割を変えながらも一貫してマーケ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/10 09:30 https://markezine.jp/article/detail/41567

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