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MarkeZine Day 2022 Retail

資生堂の新会員サービス「Beauty Key」担当者が語る、リテールとともに目指す顧客のLTV向上

ダウンロードやSNSでの反応も上々

 Beauty Keyは2022年9月のローンチ初日にアプリストア全体で6位、ライフスタイル部門で1位を取り、約5万ダウンロードされると好評だった。その後も順調にダウンロード数や登録会員数を増やしている。

 「リテールや美容部員の方にアプリのローンチを楽しみにお待ちいただいて、店頭でBeauty Keyを紹介いただいたことで、それだけダウンロード数が伸びたのだと思います」(大槻氏)

 また、毎日肌分析の結果を投稿するユーザーがいるなど、ローンチ初日からTwitterやInstagram上でBeauty Keyに対する大きな反響が見られた。

 Beauty Keyには資生堂の15ブランドを掲載していて、資生堂が提供する様々なサービスや機能のハブとなっている。その中でも肌分析アプリは一番多く使われていて、結果をSNSに投稿する人もいるという。他にもマキアージュのパーソナルカラー診断など様々なブランドや機能が横断的に使われている。

 また、リテールからも「店舗対応が簡単になった」「サービスのデータをうまく使っていきたい」といったポジティブな声が多数集まった。

今後目指していくあるべき姿

 Beauty Keyでは、リテール、顧客、そしてメーカーが心地よい関係になることを目指している。そのためには、顧客との関係構築、そしてリテールが抱えている顧客との関係構築の二つが大事になってくる。

 具体的には、季節ごとの新商品などのキャンペーンで新規顧客を獲得するだけでなく、蓄積したデータに基づいたパーソナライズによって、長期愛用者の育成をしていくようにシフトしていくことを狙っている。

 「戦略的な話でいうと、これまで取り組んできた新規獲得などのAS IS(現状)から、長期愛用者を増やすTO BE(理想のあるべき姿)になることを目指しています。リテールの方々はこれまでずっとやってきてくださってきたことだと思うのですが、メーカーとしては遅ればせながらその支援をリアルの強みとデジタルの強み、資生堂の強みを集結して行いたいと思っています」(大槻氏)

 マーケティング手法もメディアに広告などを打つといったことから、顧客に心地よい体験を提供すること、顧客の捉え方もペルソナやセグメントといった1まとまりの属性ベースから、一人ひとり違った価値観をベースにするなど、あらゆる観点で目指す方向が大きく変化しているという。

 この変化は社内の人材にも起きており、資生堂の美容部員は以前ビューティーコンサルタントと称していたが、現在はパーソナルビューティーパートナーに名称を変更し制服も刷新。店頭で待ち受ける存在から、パートナーとして寄り添い、一人ひとりの顧客に一番合う商品を一緒に考える存在になることを目指しているという。

 そして最後、大槻氏はBeauty Keyの提供を通じて目指すメーカーとリテールの関係について語り、セッションを締めくくった。

 「資生堂だけが頑張ってやっていくのではなく、リテールの方々やパーソナルビューティーパートナーとお客様に寄り添う関係を目指していくのがBeauty Keyのあり方です。メーカーの責務としてしっかり時代を捉えて、お客様の自分に本当に合ったものを見つけたいというピュアなニーズをしっかりと把握し、リテールの方々とともに市場を作っていきます。そうして、ただ資生堂の製品を売るのではなく、カテゴリー自体を拡大するなど、メーカーだからこそできる役割をきちんと果たしていけたらと思っています」(大槻氏)

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/04/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/41917

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