設定の変更だけで別のプログラムに移行可能
――「顧客エンゲージメントによってサービスの質を変えない」というプログラムもあるのですね。
はい。さらに「カスタマーサポート型」は、商品購入後により充実した体験、ブランド価値を届けていくプログラムです。たとえば、単価が高い家電などの顧客は同じブランドにはなかなか戻らないもの。そこで、買い替え時に第一想起を獲得することを目的に、ロイヤルティ プログラムをアップデートしながらアプローチしていきます。
タバコ会社のフィリップ・モリスの場合、「iQOS」購入後に会員登録をすると、補償期間が延長される特典などが受けられます。ポイント獲得についても、コンテンツの視聴やショップへの来店などのアクションを通じて、お客さんと長く続く関係性を作っています。製品単価が高いブランドとの相性が特に良いですね。
「価値共創型」は、ブランドが生み出す価値や目指す世界観に共感してもらい、顧客とブランドがともに価値を作れるようなプログラム設計です。「このブランドを買うことが、自分にとっての正義」という感覚を醸成し、ロイヤルティ向上に結び付けます。業種・ブランドの特徴としては、日常生活で目にする機会の多い製品ブランドが大半を占めます。
そして最後の「購入・利用促進型」は、主に購入・利用金額や頻度に応じてベネフィットを付与します。割引やクーポンなどのハードベネフィットに加え、先行セールなどのソフトベネフィットが取り入られていることもあります。この型をベースにブランド資源からさらなる価値を考えると、プログラム自体をさらにリッチにすることが可能です。同プログラムは多様な業種で利用されており、その手法はポイントを活用するものが圧倒的に多いのが特徴です。
以上、7類型についてお話ししましたが、通常は運用中のロイヤルティ プログラムから別のものに再構築する場合、顧客ランクの変更に数億円という膨大な金額と労力がかかることも珍しくありません。そこで当社では、前述のロイヤルティ プログラムを設計から実装・運用まで一気通貫で支援するSaaS「Cheetah Loyalty」を提供しています。本サービスを通じ、クライアントは設定の変更だけで様々なロイヤルティ プログラムをうまくカスタマイズすることが可能です。
厳しい市場環境でもブランド成長に貢献
――最後に、どんな企業に御社のサービスを活用してほしいですか。また、展望も聞かせてください。
まずは大前提として、自社のロイヤル顧客にしっかりと向き合い、深い共感を得られなければブランドはもはや生き延びることができません。それが、あらゆる市場が縮小傾向にある今の日本企業の置かれている立場でしょう。
また、これまではカスタマージャーニーにおける消費者の“アクション”は「店舗への来店」「購入」程度しかマーケターからも認識されていませんでした。しかし、購入した製品を使うことも立派なアクションです。そして、これまではそうした視点がマーケターの中ですっぽりと抜けていたことが問題だったともいえます。
当社のチーターロイヤルティの特徴を一言で言い表すなら「アクションベース ロイヤルティ プログラム」です。顧客のあらゆるアクションを的確に捉え、顧客エンゲージメントの醸成につなげます。これにより、新たな購買の機会を生むこともできます。ぜひ、多くの企業に導入を検討いただきたいと思います。
今後の展望としては、日本ではまだなじみの薄いロイヤルティ プログラムという考え方を浸透させ、売上の拡大が難しい今の日本市場においてもブランドを安定的に成長させられるよう貢献していきたいです。
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ロイヤルティ プログラムの7類型を、55社の事例を交えてわかりやすく解説したeBookです。「他社のロイヤルティ プログラム事例を多数収集したい」「購入以外の顧客体験をさらにリッチ化したい」とお考えの方は、ぜひダウンロードして、自社のマーケティングのアップデートにお役立てください。