Okta Japanは、世界14ヵ国の消費者20,000人以上(日本では2,000人以上)を対象にOktaが実施した顧客アイデンティティのトレンドレポート「Okta Customer Identity Trends Report」の調査結果を発表した。
同レポートは、消費者が使うアクティブなオンラインアカウント数、パスワードの課題やログイン時に不満を感じるユーザー体験、個人データのプライバシーに関する消費者の嗜好などを調査したもの。
調査結果は下記の通り。
世界の38%・日本の34%がオンライン上で10~20個のアカウントを使用中
消費者が現在保有する使用中のオンラインアカウント数は、世界の38%(日本34%)が10〜20個、27%(日本24%)が20〜50個、11%(日本6%)が50個以上となることがわかった。
世界の60%、ログインの煩わしさ解消で購入可能性が高まる
オンラインアカウントのユーザー名とパスワードの管理に関しては、世界の回答者65%(日本68%)が、課題を感じていると回答。
また、世界の回答者39%(日本33%)が、ユーザー名やパスワードを忘れてアカウントにログインできないことが月に1回以上あると回答しており、18%(日本11%)が少なくとも週に1回以上この問題に遭遇している。
さらに、回答者の33%(日本34%)は、特定の要件を満たすパスワードの作成が必要なことに対して不満を感じており、28%(日本27%)の人は、新しいオンラインサービスの利用ごとに新しくパスワードを作成する必要があることに煩わしさを感じると回答した。
加えて、41%(日本43%)は、サインアップ時の長い入力フォームに不満を感じており、44%(日本29%)が個人情報や機密情報を入力することに抵抗も感じている結果となった。
このように、ログイン時の煩わしいユーザー体験に対して多数の消費者が不満を抱いていることがわかる。
一方で、世界の回答者の60%(日本42%)は、ログインプロセスがシンプルで安全、かつトラブルがなければ、サービスの購入可能性が高くなると回答。特に、若年層の消費者は、優れたログイン体験を提供された場合、高齢者の消費者よりも購入可能性が高くなる結果が出ていた。
日本の44%がオンラインサービスに生体認証を導入希望
ユーザーの利便性とセキュリティの観点からオンラインサービスに実装して欲しいセキュリティ対策を聞いたところ、世界の回答者の53%(日本29%)がユーザーネーム&パスワードと回答。
日本では生体認証を希望する割合が33%(日本44%)と高くなった一方、MFA(多要素認証)が42%(日本31%)がと回答しており、ソーシャルログインが低い傾向があることがわかる。
個人データの管理は多くの地域で重要視 日本では良いユーザー体験のほうが重視する業界も
次に、プライバシー設定や共有する個人データの制限など、個人データ管理について聞いた。
特に金融サービス&保険分野では、世界の回答者86%(日本76%)、ヘルスケア分野では83%(日本73%)、公共分野では81%(日本72%)が個人データの管理を重視すると回答。いずれも機密情報や個人情報に関わる分野においては重要視する傾向が見られた。
一方で、個人データの管理とユーザーの利便性のどちらを重視するかについては、地域や業界によって差があることもわかった。回答者の大半は個人データ管理の維持をより重視すると回答しており、特に欧米の消費者は、どの業界でも同様の傾向が見られた。
しかし、日本の消費者は、より良いユーザー体験のために個人データの管理を妥協すると回答する割合が高い傾向にあり、特に「リテール&ホスピタリティ」は日本の45%、「メディア&エンターテインメント」は日本の43%、「交通&トラベル」は日本の41%でそのような割合が高くなっていることがわかった。
【調査概要】
地域:イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、アイルランド、スペイン、イタリア、スイス、米国、カナダ、オーストラリア、日本、韓国の14ヵ国
期間:2022年8月~2023年2月
サンプリング数:20,000人以上の消費者(全員18歳以上)、うち日本では2,000人以上が対象
方法:招待メールによるオンライン
実施会社:Statista
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