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熱量が高いファンを生む秘訣は情報開示による共創 Pocochaが行うファンに向き合い続ける運営

ユーザーの疑問に対する「説明責任」から逃げない ハイリテラシーなユーザーの重要性

MZ:現在では企業が顧客向けにファンコミュニティを立ち上げ、運営するケースも増えてきました。ファンの熱量を高めるためのアドバイスをお願いします。

水田:「ユーザーにサービスそのものへの愛着を持っていただく」だけでなく「サービスを運営する企業に対してファンになっていただく」ということは、そのレベルに比例して自分たちの説明責任のハードルも永遠に上がり続けるということです。そのハードルが上がっていくことから逃げてはいけない。「ファンコミュニティの親密度を上げたいけれど、自分たちの説明責任はほどほどにしたい」という姿勢になった瞬間に親密度向上の方程式は崩れてしまうんです。実際にPocochaでは、あらゆる情報を自社都合で限定することなくユーザーに伝えてきました。

 また最近では、ユーザーやファンから要望を受け付けている企業も多いと思いますが、「今後の参考にさせていただきます」程度で終わってしまうことも多いのではないでしょうか。

 Pocochaでは、ユーザーから要望が上がったら、その場で優先度と理由を説明しています。それにより、優先度の判断基準をユーザーと運営が共有できるようになってくるので、「この要望をずっと出しているのに実行してくれない」というユーザーが減り、ユーザーの納得感も得られるようになっていきます。当然説明コストはかかりますが、最近では「〇〇をやってほしいんだけど、優先度はどれぐらいですか」と聞いてくれるユーザーも多くなりました。

水田氏が開発工程をホワイトボードで説明する様子
水田氏が開発工程をホワイトボードで説明する様子(ポコフォーラムにて)

MZ:情報の開示をしすぎることで、ユーザーに主導権が移ってしまう懸念はありませんか。

水田:ユーザーはハイリテラシーになることで、企業側が抱えるビジネス的なジレンマやプロダクトの中長期的な課題に対して共感をしてくれるようになります。そんなユーザーだからこそ、より良い案を提案してくれますし、プロダクトを共創してくれる存在になると思っています。

 もし自社のコミュニティにいるユーザーが「賢くなってやりづらい」と思う状態になっているのであれば、それはむしろユーザーから運営側に対する理解度が低く、パフォーマンスサイクルが回せるほどの情報開示が足りていない証拠であるといます。

「普通の人の夢」を応援するコミュニティの輪を世界へ

MZ:Pocochaというプラットフォームを通じてどのような価値を提供していきたいと考えていますか。今後の展望をお聞かせください。

画像を説明するテキストなくても可

水田:Pocochaには、特別な才能がある人だけが応援してもらえるのではなく、ごく普通の人のごく普通の目標や夢を応援できるというスモールコミュニティならではの特徴があります。その夢は他のSNSで活躍するような従来のインフルエンサーの目指すことと比べれば、ささやかな規模感かもしれません。

 ですが、世の中にはごく普通の人のほうが圧倒的に多く、何万倍もの人を主役にパワーやサービスのメリットを提供できることがPocochaの強みだと考えています。クリエイターという職業がより身近になるプラットフォームとして、Pocochaをさらに広めたいと思っています。

 また、Pocochaがグローバルに通用するサービスかを検証するために、現在アメリカやインドでもリリースしています。他国でも成功すれば、日本のユーザーもより自信を持ってサービスを使ってもらえるはずなので、今後はこうした取り組みにも力を注いでいく予定です。

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この記事の著者

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/06/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/42418

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