上昇傾向にあるマーケティング職の年収
賃金上昇が日本全体の課題となっている中、大手企業の賃上げ率が1992年以来、31年ぶりに高水準となったことが話題になりました。全体的な傾向としては、マーケティング職の年収も上昇傾向にあります。
転職サービス「doda」の「平均年収ランキング2022」によると、2022年度の「ビジネスパーソン全体の平均年収」は403万円だったのに対し、「マーケティング職の平均年収」は511万円(出典)。前年度に比べて45万円も上昇していました。2023年5月の「doda転職求人倍率」が2.20倍である中、マーケティング職を含む「企画・管理」の転職求人倍率は3.33倍と上回っており(出典)、マーケティング職のニーズが高く、収入が上がりやすい状況が生まれていると言えます。
業種によって、200万円近くも年収に開きが
前述のとおり、全体的にはマーケターの平均年収は上昇傾向にありますが、中にはそれほど年収が上がっていない企業・職種もあります。ここからは、当社の求人要件作成サービス「HR forecaster」の「スキル年収マップ/マーケティング」を用いて、年収の高低に影響する要素を見ていきましょう。
まず、年収を決める大きな要素として「地域」が挙げられます。マーケティング職の平均年収が最も高いのは「首都圏」で548万円、最も低い「九州」の平均年収は409万円。地域によって139万円もの差がありました。
もう一つ、年収を大きく左右するのが「業種」です。同じくパーソルキャリアの調査を見ると、マーケティング職の平均年収が最も高い業種は「金融・保険」で672万円。逆に、平均年収が最も低い業種は「警備・清掃」で428万円でした。なんと199万円もの差があります。
ほか、マーケティング職全体の平均年収548万円を上回っている業種は、「IT・通信」「メーカー(自動車・機械・電気・電子・半導体)」「医薬品・医療機器・医療系サービス・ライフサイエンス」「金融・保険」「エネルギー:電力・ガス・石油・新エネルギー」「コンサル・シンクタンク・監査/税理士法人・専門事務所」「運輸・物流」。
下回っているのは、「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」「商社・販社」「旅行・宿泊・レジャー」「警備・清掃」「理容・美容・エステ」「教育」「不動産・建設・プラント」「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」「インターネット・広告・メディア」「小売・流通」「農林水産・鉱業」「公社・官公庁・学校・研究施設」「飲食」「冠婚葬祭」「その他」でした。
特にサービス系の業種で全体の平均年収を下回る傾向が見て取れます。