SNSを駆使してファンの間で話題化させる BtoB企業のOOH施策
2022年は例年と比較をしても、BtoB事業を展開する企業がOOHを数多く展開していたのが印象的でした。

クラウド型の情報共有ツール「Notion」が2022年8月に実施したグローバルキャンペーンでは、世界8都市で同時に広告を展開。日本国内では、東京駅などの主要ターミナル駅や羽田空港、バス停などで掲出されました。
特に興味深かったのが、普段Notionを利用しているユーザーを中心に「発見報告」がSNSで発信・拡散され、まだ知られていないユーザー層に広がっていった点です。根強いファンが付いているサービスこそ活きる施策といえるでしょう。既に知っている人がSNSで発信することで、結果として知らない人に広がっていく、これはまさにSNS時代の王道勝ちパターンと言えます。
Notionと同じく、2022年8月に掲出されたクラウド人材管理システム「カオナビ」の広告も興味深い事例でした。

同広告では、「すべての才能が、カオを出す。」というキャッチコピーで同システムの特徴を表現。仮面ライダーに登場するショッカーが覆面を取る動きで「カオナビ」の特徴である顔写真による人材情報管理についてアピールをしています。
一方、「ショッカーに扮しているのは一体誰か」が同時に話題になりました。公式発表前に正体に気づいた“中の人”のファンを中心に、SNSで広く拡散されたおもしろい事例でもあります。知名度が高いタレントの起用に加えて、見た人自身に考えさたり、調べさせたりする設計になっており、タレントのファン経由で認知度を上げていたのが特徴的でした。
ビジュアルと音声で訴求をできるアドトラックに再注目
2022年4月に掲出されたDonutsのクラウド勤怠システム「ジョブカン」のアドトラックも印象的です。ナイトワーク関連の広告出稿が多い印象のアドトラックですが、ビジュアルと音声を使用して訴求ができる媒体の価値を理解して活用しています。

外出自粛の影響で一時期はほとんど埋まらなかった広告枠にもコンテンツが入るようになり、街全体が盛り上がってきた印象もあります。今後の動きが楽しみですね。