生活者シーンで見たプロテイン商品の競合とは
続いて、プロテイン商品の喫食、飲用シーンにおいて競合となりうる商品を見ていきます。
ダイエット時のおやつ
「ダイエット時のおやつ」というキーワードが含まれる口コミ件数を100%とすると、1位はつまみ類(18%)、2位はデザート類(13%)、3位は栄養バランス食品類(7%)です。つまみ類は主におしゃぶり昆布、あたりめ、アーモンドなどのナッツ類など、デザート類は主にこんにゃくタイプのゼリーと、低糖質タイプの商品で口コミされています。
またコロナ前後を比較すると、高カカオチョコレートやサラダチキン、高たんぱくヨーグルトでの口コミ数が増えていました。ダイエットシーンにおいて、糖質を抑えるだけでなく、同時に栄養素を補給したいという意識の変化が起きていそうです。
しかしプロテイン関連商品の口コミ数は限られており、”ちょっとした小腹満たしよりは食事寄りのおやつ”→”わざわざ食べるもの”の位置づけになっている可能性があります。今後の商品展開やコミュニケーション次第でおやつシーンへも浸透していくかもしれません。
運動前/運動中/運動後
「運動前/運動中/運動後」というキーワードが含まれる口コミ件数を100%とすると、1位はスポーツドリンク(28%)、2位は乳飲料(15%)、3位は栄養バランス食品(約6%)です。スポーツドリンクが確固たる地位を築いています。乳飲料は主にプロテイン飲料や低脂肪牛乳、栄養バランス食品はプロテインバーを中心に口コミされています。
コロナ禍での健康意識や運動不足解消ニーズの高まりを背景に、単なる運動ではなくボディメイクやトレーニングにて“プロテイン”のポジションが確立されつつある可能性があります。
筋トレ
「筋トレ」というキーワードが含まれる口コミ件数を100%とすると、1位は鶏肉類(27%)、2位は乳飲料(11%)、3位は栄養バランス食品(7%)です。
鶏肉は圧倒的にむね肉での口コミ数が多くなっています。ささみのほうが低脂質でヘルシーなため一見支持されていそうですが、一般的な店頭でのグラム単価の安さなどからむね肉のほうが受容されていそうです。
乳飲料は様々なフレーバーや容量帯が展開されているプロテイン系飲料、栄養バランス食品は様々なメーカーが展開するプロテインバーが上位を占めています。筋トレ時にはプロテインやたんぱく質の摂取という生活者の知覚が確立されています。なおその場合、取り組み度合は人によって様々なため、日常の食生活に簡単に取り入れやすいプロテイン商品のほうが受け入れられやすそうです。
生活者ニーズやシーン起点で市場を捉えることの重要性
今回の結果から、生活者のニーズ・用途やシーンごとに、様々な選択肢の中からプロテイン商品が選ばれていることわかりました。たとえば、「ダイエット時のおやつ」では一見競合しそうにないつまみ類やデザート類と代替関係にあり、プロテイン商品のシェアソースとなる可能性を秘めていることがわかりました。
カテゴリー起点で市場や競合関係を捉えるだけでなく、視点を変えて生活者起点で広く捉えることで、新たな顧客獲得に向けたヒントにつながっていくはずです。