主催側、参加者側それぞれの目的を整理する
大型イベントを主催する意義を説明してきましたが、当然、単に大規模なイベントを開催し続けていけば良いというわけではなく、手段が目的になってしまうのでは本末転倒です。大型イベントでは多様な参加者や協賛企業が参画するからこそ、それぞれの目的・利益をつかみ、それと一致するイベントにしていく必要があります。
【updataを例に、それぞれの目的を整理】
・参加者:見込み客
データ活用やDXのトレンドを知りたい、勉強をしたいという情報収集目的の参加者。普段従事する業務とは直結していないけれど、おもしろそうだから参加しようという層(潜在・非認知層)から、具体的にBIツールの導入を考えている層(顕在層)まで幅広い。新規ユーザーになり得る層。
・参加者:導入済みユーザー
既に弊社製品を導入済みのユーザー。他の導入企業はどのように製品を活用しているか、具体例が知りたい、成功事例が知りたいというニーズがある。エンゲージメントをさらに高めることで利用拡大につながる可能性がある層。
・参加者:販売店(パートナー企業)
当社製品を代理販売・提案するパートナー企業。取り扱い製品についてより詳しく知りたい、売り方を知りたいという販売に直結するニーズの他、有識者から事業領域に役立つヒントを得たいというニーズも。
・協賛企業
主に自社ビジネスにつながるリードが欲しいというニーズがある。
以上のように整理した上で、イベントの中身を設計していく必要があります。弊社では下図のようなマトリクス表を活用しています。

協賛企業と作る、自社を中心としたエコシステムの構築
「updata」には企業が協賛できる枠組みを設けています。ありがたいことに「updata」のイベントとしての価値が評価されるようになり、毎年多くの企業に協賛いただけるようになりました。
そこで大切にしている観点は、協賛企業は我々のビジネスと関連があるかどうか、お互いの成功や発展に寄与できる関係性を築くことのできる事業内容や企業であるかということです。
イベント協賛によって協賛企業のビジネスを盛り上げる手助けをすることで、当社のビジネスも盛り上がるというWin-Winの関係性を構築したいからです。
そのため、当社のビジネスや「データ活用」というテーマに何ら関連性がない場合は、お断りしています。セッションや展示ブースの内容がテーマと乖離し、参加者への提供価値が低下してしまうことにつながりかねないですし、協賛企業に伴走して互いに成長していくことを目指す私たちのスタイルにはそぐわないからです。
協賛企業とともに参加者、スポンサー、弊社のどの立場にとっても意義のある良質なイベントを作り上げていくという、健全なエコシステムを構築することを大切にしているのです。
次回は、具体的なイベントの企画方法や集客設計、活用している集客チャネル、データ活用法について、「updata」の実例を交えながら解説していきます。