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イベントレポート

各種手法や規制対応、AIの進化……大企業やD2Cの担当者たちが考えるメーカーECの今と未来


 企業が自社ECを構築し顧客と直接つながる動きが活発化するEC市場。メーカーEC各社が重きを置くポイントはどこなのか。2023年6月6日(火)から6月8日(木)に開催された「Advertising Week Asia」では「どうなるメーカーEC!? メーカーECの現在地と未来」をテーマにセッションが開催された。本稿は、サントリーウエルネス、アンカー・ジャパン、βace、カゴメの4社の担当者による、大企業の視点とD2Cブランドの視点を交えたディスカッションの様子をレポートする。

メーカーECの担当者が集結!メーカーECの現在地を探る

高橋(サントリーウエルネス):本日は「どうなるメーカーEC!? メーカーECの現在地と未来」をテーマにディスカッションを行ってまいります。モデレーターを務める、高橋と申します。新規設計開発を担当しており、これまでのキャリアでも通販事業に携わってきました。

サントリーウエルネス 事業部 高橋文人氏
サントリーウエルネス 事業部 高橋文人氏

吉野(アンカー・ジャパン):アンカー・ジャパンでマーケティング全体の統括を担当する、吉野と申します(※所属はイベント当時のもの)。弊社では、マーケティング部の中にブランド戦略やクリエイティブ制作、広報チームとともに、自社ECを担うチームが存在しています(2023年6月時点)。

兒嶋(Minimal):「Minimal -Bean to Bar Chocolate-」というチョコレートのD2CブランドでECの責任者を務める、βaceの兒嶋です。カカオ豆の仕入れから製造販売までを自社で一気通貫して行うビーン・トゥ・バーというスタイルで、チョコレートを販売しています。ECだけでなくリアル店舗も展開しております。

細川(カゴメ):カゴメの細川と申します。自社通販「健康直送便」という事業の中で、主に獲得広告以外の新たな顧客接点の開発、会員へのCRM企画などを行っています。弊社の自社通販は店頭と異なる特別な商品を扱っている点が特徴です。

メーカーの製品は、体験がすべて

高橋(サントリーウエルネス):BtoCのEC領域では特に、新規を獲得する手法にフォーカスし、「How」を考えることが多い印象です。まずはこのテーマで議論ができればと思います。

吉野(アンカー・ジャパン):Ankerブランドは製品サイクルが速く、毎週のように新製品が出ています。スピード感が必要になるため、基本的にクリエイティブ制作から広告運用、SNS運用、インフルエンサー活用、広報までインハウスで行っています。メーカーに大切なのは、良いものを作り必要とする顧客に届けることだと考えており、それを実現するためにHowが存在していると捉えています。

アンカー・ジャパン マーケティング本部長 吉野優希氏
アンカー・ジャパン マーケティング本部長 吉野優希氏 ※所属はイベント当時のもの

兒嶋(Minimal):アンカー・ジャパンさんはスピード感を持ってプロダクトの改善をしている印象があります。やはりWhatの部分、プロダクトやその価値がメインにあるのでしょうか。

吉野(アンカー・ジャパン):そうですね。百聞は一見にしかずといいますが、100回製品の良さを聞くよりもお客様自身が1回でも実際に使って、良いと思っていたただくほうが圧倒的にブランドを選んでいただくことにつながります。そのためにもまずはトライアルしてもらうために、Howを考えている形です。

兒嶋(Minimal):弊社では、嗜好品であるチョコレートを競合が多い中からいかに選んでもらうかに苦戦をしたこともあり、「なぜ買うのか」「誰が買うのか」が重要だと考えています。この2つが決まれば、Howも自ずと決まってくるのではないでしょうか。

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/25 14:26 https://markezine.jp/article/detail/43046

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