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第107号(2024年11月号)
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【特集】社会価値創造と事業成長を考える

誰も取り残さないブランド体験がイノベーションを生む。博報堂が掲げる「ブランド・アクセシビリティ」とは

 2023年7月、博報堂はあらゆる生活者が心地よく使い続けられるブランド体験の重要性を提示する「ブランド・アクセシビリティ」についてのレポートを公開した。ブランド・アクセシビリティの根底には、DE&Iをブランド体験に反映することで社会性×事業性を両立させ、最終的には強いブランドを作るというビジネス成長の観点がある。本レポートの制作にあたった博報堂のマーケティングプラニングディレクター・奥村伸也氏と、監修を担当したミライロ代表取締役社⻑・垣内俊哉氏に、ブランド・アクセシビリティの考え方について、話を聞いた。

「ブランド・アクセシビリティ」とは

MarkeZine編集部(以下、MZ):博報堂は、先日「ブランド・アクセシビリティ」に関するレポートを発行されました。その意図について教えてください。

奥村:DE&Iへの関心が高まり、取り組みや議論が進んでいる中、博報堂は未来生活者発想へシフトしていくためのプロジェクト「Future Evangelist」を立ち上げました。数年後、数十年後の未来を我々もいち生活者として考えた時に、どのようなモノやサービス、マーケティングのあり方が望まれるかをリサーチして考察し、発信していくという取り組みです。今回は、その第2弾として「ブランド・アクセシビリティ」の概念を言語化しレポートを公開しました。

株式会社博報堂 第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局 プラニング三部 マーケティングプラニングディレクター 奥村伸也氏
株式会社博報堂 第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局 
マーケティングプラニングディレクター 奥村伸也氏

MZ:「ブランド・アクセシビリティ」とは、どういった概念なのか教えて下さい。

奥村:ブランド・アクセシビリティとは、ひとことで言うと、ブランドへのアクセスのしやすさを意味する造語です。「性別・年齢・障害の有無などに関わらず、すべての生活者がブランドにアクセスし、心地よく使い続けられること」を概念として持っています。

MZ:同じような言葉として、ユニバーサルデザインやインクルーシブデザインなどがありますが、これらとブランド・アクセシビリティは異なるものなのでしょうか?

奥村:その区別については我々のチーム内でも様々な議論がありましたが、基本的には、ブランド・アクセシビリティを既存の概念と明確に区別しようとは考えていません。

 ただ、あえてブランド・アクセシビリティと打ち出したのには、DE&Iをブランド体験に反映させることを重視する意図があります。たとえば、ユニバーサルデザインと言うと、プロダクトの物理的なデザイン性に焦点が当たることが多いと思います。ですが、本来、ブランド体験は、プロダクトやサービスを使うその時だけでなく、情報を仕入れ、購入し、使用して、使い続けるという一連の流れで考えるべきです。すべての人にとって、ブランド体験が一貫して心地良いものになっているかどうかを重視するために「ブランド・アクセシビリティ」という言葉を用いています

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/15 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43194

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