プライバシー保護強化が進む中、力を入れるべきことは?
谷口(Adjust):最後は「プライバシー保護強化が進む中での今後のアプリマーケの展望」について語っていただきます。
三浦(グリーアドバタイジング):プライバシー保護強化はユーザーのデータが見えづらくなることと同じだと考えています。流入経路がわかりにくい状況では、統合して全体を見ることも1つの指標としてあります。しかし、そうするとDAUやMAUの目線での効果がわかりにくくなり、最終的にROASが悪化するといったことも起こりうるかもしれません。
そのためアプリマーケティングでは、AdjustさんをはじめとするMMP(モバイル計測パートナー)との関係は切っても切り離せないものだと思います。グリーグループでは自社データとAdjustデータを突き合わせてLooker StudioなどでROASを見る取り組みをしています。
谷口(Adjust):ありがとうございます。Adjustでは様々なデータをとっていただくことが可能ですが、管理画面で確認できるデータは一部のみとなっています。たとえば位置情報についても管理画面では国単位までしか見られませんが、ローデータエクスポート機能を使えば郵便番号レベルまで確認できるようになります。
岩本(オプト):最近注目を集めているコネクテッドテレビ広告も、細かい地域まで計測できると活用しやすそうですね。
プライバシー保護の流れに話を戻すと、この潮流が今後加速していくことは間違いありません。データに対して消費者も一層敏感になっていると感じます。計測がすべてを解決すると言える時代ではなくなりました。計測ではなく、SKAdNetwork(読み:エスケー・アドネットワーク)への投資にアクセルを踏んでいく必要があるでしょう。この2、3年が勝負になるのではないでしょうか。
アプリマーケティング、今後の展望
田中(CyberZ):皆さんがおっしゃる通り、プライバシー保護強化の流れにあらがうようなことはすべきでないと思います。
そのうえで相対的に重要になってきているのがクリエイティブです。単純に訴求性が強いクリエイティブを作るだけでなく、ターゲティングの手法としてクリエイティブを設計することが求められています。同じ広告主様のアカウントで同じターゲティング設定をしていても、クリエイティブの訴求ごとに配信先のユーザー層は明確に変わるため、ターゲティングの軸を変える手段としてクリエイティブの戦略を立てることも重要な視点なのではないかと。
プライバシー保護強化によって、確かにできないことが増えましたが、SKAdnetwork4.0のアップデートなど、できるようになっていることもたくさんあります。できることにしっかり目を向けて考えていくことが大切です。
荻田(Septeni America):今後は、マーケティングによって、アプリとコンテンツの熱量をどう高めていけるかが重要だと考えています。
「どのコンテンツとコラボすれば、どのようなユーザーの熱量を持ってこれるのか」など広告主様やメディアパートナー様と試行錯誤しながら新しい事例を作っていくことで盛り上げられるはずだと思っています。
谷口(Adjust):本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。